中小企業経営者の半数が自分の代で廃業

事業継続決定企業は12.4%にとどまる

日本政策金融公庫総合研究所はこのほど、中小企業経営者の事業承継に関する意識を調査するために「中小企業の事業承継に関するインターネット調査」を実施した。
調査では後継者の決定状況等をもとに以下に中小企業を分類している。
①「決定企業」(後継者が決まっており、後継者本人も承諾している企業)
②「未定企業」(事業承継の意向はあるが、後継者が決まっていない企業)
③「廃業予定企業」(自分の代で事業をやめるつもりの企業)
④「時期尚早企業」(自分がまだ若いので、後継者を今は決める必要がない企業)
それによると「決定企業」は12.4%にとどまった。「未定企業」が21.8%、「廃業予定企業」が50.0%を占めた。
調査では、廃業予定企業の多くが従業者が少なく、金融機関からの借り入れがないと報告。さらに、業績が劣る企業の割合が相対的に高く、事業の将来性の見通しも暗いなど、廃業を容易に決断できる環境にあると分析している。またこれらの企業は経営者の高齢化に伴って、徐々に市場から退出していくものと予測している。廃業するときに問題になりそうなことは「特にない」と考える企業は半分近くにのぼるものの、廃業後の生活費の確保を指摘する企業も3割程度存在するという。
「未定企業」は、決定企業と比べて従業者規模や、業績、事業の将来性に遜色はないが、後継者が決定しているか未定であるかを左右するのは、経営者に就任したときの年齢や創業者との関係、男の子どもの多寡という、経営者の属性にかかる要因であるとしている。
事業承継に対する支援策を必要とするのは、決定企業よりはむしろ未定企業とも指摘している。

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