外国人労働者数は約91万人
届出義務化以来、過去最高を更新
中小企業が外国人労働者の採用に力を入れている。中小印刷業界でも技能実習生として積極的に労働者の確保策として中国やフィリピン、ベトナム、インドネシアの実習生の採用が活発になってきた。
厚生労働省によると2015年10月における外国人労働者数は90万7,896人、前年同期比12万269人、15.3%が増加。平成19年に届出が義務化されてから過去最高を更新した。
外国人労働者を雇用する事業所数は15万2千社、前年同期比1万5千社、11.1%増加した。国籍別では中国が最も多く32万2千人で外国人労働者全体の35.5%を占める。次いでベトナム11万人(同12.1%)、フィリピン10万6千人(同11.7%)、ブラジル9万6千人(同10.6%)の順。対前年伸び率は、ベトナム(79.9%)、ネパール(60.8%)が高い。在留資格別では「専門的・技術的分野」の労働者が16万7千人で前年同期比2万人、13.6%増加した。また永住者や永住者を配偶者に持つ人など「身分に基づく在留資格」は36万7千211人で、前年同期比2万8千人、8.4%の増加となった。
厚生労働者によると、日本では、1980年代の経済拡大期に国内での労働力不足が深刻化した。このため、外国人労働力への需要が高まり、昭和63年の「第6次雇用対策基本計画」で「専門、技術的能力等を有する外国人労働者の受け入れを進めてきた。また技術的分野の在留資格が拡大され、日系2,3世とその配偶者に「定住者」という在留資格が与えられることになった。しかし、「定住者」には就労制限がなかったことから、外国人労働者として日系南米人が大量に流入した。
外国人の就労に必要な在留資格は職種ごとに決められているが、印刷業界でも従来の技能実習制度とITなどコンピュータ技術を持つ労働者の採用を専門会社が仲介するケースが増えている。