共働き世帯の増加で購買ニーズも変化
家事に関わる既婚男性の割合が増加
大日本印刷は、メディアバリューレポートVol.72「共働き世帯の購買行動」を発行している。共働き世帯が増え、男性が家事に関わるようになり、購買する商品の種類や購入先が変化しているという。こうした市場変化に対して、各店舗では適切に対応した品揃えや店舗設計の重要性が増してきており、その実態を調査している。
調査によると、食品加工を購入する既婚男性の割合が2002年には50.2%だったのが、2014年には66.6%に上昇。食品スーパーやドラッグストアなどを利用する割合も伸びているなど、既婚男性が家庭の買い物に関わるようになっている。この背景には、女性の社会進出だけでなく、中学・高校で家庭科が男女必修になって以降、家庭科教育を受けた男性が30代半ばを迎えていることなども影響していると分析している。
一方、有職主婦の買い物については、大型・総合スーパーの利用率が低下し、コンビニエンスストアの利用が上昇。食品スーパーについては、週4、5日以上利用する割合も伸びている。こうしたことからも、身近なチャネルで必要なものを、その都度購入するスタイルへ変化しているとしている。
家庭における買い物への夫婦の関わり方の変化が、顧客層の多様化や買い物スタイルの変化となり、店舗の利用の仕方を変える一因となっているようだ。
また、「料理」や「献立を考える」といったことも既婚男性の3割が関わっているなど、家庭における料理のシーンの変化もみられる。加えて共働き世帯は、利便性の高いサービスや商品を取り入れながら、各家族にある生活を築いていくことに積極的でもあるという。こうした家庭生活シーンの変化によって、利便性だけでなく共働き世帯という家族のニーズに応える店舗やサービスづくりが考えられる。