2015年の学習塾売上は前年比7.2%増

今後は少子化の勢いが上回り伸び鈍化の予測

経済産業省がこのほど発表した「特定サービス産業動態統計調査」によると、学習塾の2015年売上高は4,335億2,700円で前年比7.2%と高い伸びを示した。
受講生を集める販促活動、実際に現場で利用する教材など、学習塾をはじめとする教育産業は、印刷業にとっても大きな顧客といえる。2兆5,000億円市場といわれる教育産業の中で、「学習塾・予備校」が拡大する背景は少子化による子供一人当たりの教育費の増加。総務省によると2015年の教育費は前年比1.6%増加している。
内訳を見てみると、「受講料収入」が4,015億2,500万円で同7.1%増、「教材費」が320億200万円で同8.4%増だった。受講生も同9.1%増の1,289万8,488人となっている。これに伴い事業所数、従業者数、講師数も伸びている。
一方、一人当たりの教育費の伸びにも限界があるだろう。少子化の勢いはそれ以上に進むと見られる。矢野経済研究所の『教育産業市場に関する調査結果 2015』では、「少子化の進行によって当該市場の対象人口は減少を続けており、限られた顧客層を奪い合う形で、業績を伸長させる事業者とそれ以外の事業者において、明暗が分かれている。また、高卒生の減少は、予備校市場に大きな影響を与えている」と先行きについては不透明であることを強調している。
同研究所では今後、学習塾・予備校が横ばい傾向になる一方、増加が見込まれる教育産業市場として「英会話・語学学校市場」、「企業向け研修サービス市場規模推移」を指摘する。
学習塾の売上推移(経済産業省特定サービス産業動態統計調査/百万円)

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