海外の人材活用を支援
印刷業界の人手不足解消へ
設楽印刷機材はこのほど、取引先印刷会社に対し、フィリピン、ベトナムなど海外の人材受け入れ支援と情報提供の事業を開始した。同事業は、現地の人材派遣会社が日本語や日常生活のマナーなどを教育したあと、同社を通じて取引先印刷会社に外国人技能実習生として受け入れてもらう。
総務省が昨年12月に発表した人口推計によると、日本の総人口は12月1日現在で1億2,688万人。前年同月比で18万人減少した。
さらに昨年7月1日現在の数値で、総人口1億2,695万8千人のうち、0歳から14歳人口が1,614万4千人(前年同月比17万3千人減)、15歳から64歳人口が7,715万9千人(同14万人減)、65歳以上の人口が3,365万6千人(同93万7千人増加)と少子高齢化、そして人口減少が浮き彫りとなっている。少子高齢化は国内労働人口の減少とも直結しており、とくに中小企業で若手人材を確保することが困難になりつつある。
同社の事業はこうした人手不足を解消する一つの手段として注目されている。さらに、取引先印刷会社の人手不足解消を支援するだけでなく、新興国における印刷技術の振興、発展も見据えている。将来的には、実習期間を終えて若者が帰国した際、印刷業の起業や日系企業への就職支援も行うことも想定している。
新興国の若者を労働力として取り込もうとする動きは近年、活発化している。日本の高い印刷技術を習得した若者が自国の印刷産業を牽引し、結果として経済発展を担うことを期待しているという。同社の事業は、中小印刷業が抱える人手不足の課題を解決する一方で、新興国における若手印刷人の人材育成にも寄与しようとするもの。実習受け入れ先企業として、帰国した実習生をパイプに、グローバルな事業展開をする際の提携、連携先となる拠点確保にも繋がる。