ものづくり補助金再び
革新的なビジネス展開に1,020億円
経済産業省は12月18日、平成27年度補正予算案等が閣議決定されたことを受け、関連事業予算の概要を発表した。この中で、「海外市場獲得を目指す新たな製品・サービスの開発等の支援」の一環として、『ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金』として1,020.5億円が計上されている。
同事業は国内外のニーズに対応したサービスやものづくりの新事業を創出するため、革新的なサービス開発・試作品開発、生産プロセスの改善などを行う中小企業・小規模事業者の設備投資等を支援するもの。昨年度、平成27年度本予算でも補助金事業が実施され、印刷業界でも数百件が採択された。
全体的な傾向としては、補助金を活用してワークフローやMIS(生産管理システム)、デジタル印刷機、省電力型UV乾燥装置、後加工機器といった最新機器を導入する印刷会社が多い。しかし、"ものづくり"は同じ地域で同様の申請を出される場合があり、その際採択率に影響することも考えられる。また、発表された概要によると、「給与総額増の取り組み」や「TPP加盟国等への海外展開により海外市場の新たな獲得を目指す取り組み」は加点対象になるという。
事業イメージは、革新的サービス・ものづくり開発支援とサービス・ものづくり高度生産性向上支援のカテゴリーに分け、それぞれ対象となる取組みにかかる費用の3分の2を補助する。
革新的サービス・ものづくり開発支援はさらに、補助上限額1,000万円の一般型と、上限額500万円の小規模型が用意される。サービス・ものづくり高度生産性向上支援の上限額は3,000万円となる。関係者によると前回同様、年度末当たりの公募が予想されるという。繁忙期と重なる印刷業界が、短期間でものづくり・サービス補助金に採択されるには、事前の準備が必要になるだろう。