タイヘイグループに事業譲渡

出版社へM&Aの対象広げる

映画誌「SCREEN(スクリーン)」などで知られたケーイー(旧近代映画社)は10月2日、東京地裁から破産手続き開始決定を受けた。同誌の編集・発行事業は1日付でタイヘイグループ傘下となった「近代映画社」に譲渡した。負債額は約9億5,000万円。
同社は1945年創業。映画雑誌「SCREEN」を主力に、「ナンプレガーデン」や韓流スター情報誌、女性アイドル・アーティスト誌「BIG ONE GIRLS」などを発行していたが、出版不況で売り上げが低迷。2005年12月期に約9億5,200万円だった売上高は13年12月期には約3億6,200万円に落ち込んだ。映画雑誌「SCREEN」を発行していた出版社のケーイー(東京)は東京地裁から破産手続き開始の決定を受け、SCREENは編集などの事業が別会社に譲渡され、「SCREEN」「SCREEN+」「BIG ONE GIRLS」の3誌の編集・発行事業は、食材宅配サービス会社の「タイヘイ」傘下の会社「ティ・アイ・ティ」に譲渡され、その後、同社が新近代映画社に商号を変更した上で発行を継続することになった。
事業スポンサーとなったタイヘイグループ(千葉県匝瑳市)は明治13年創業、酒造業から味噌・醤油の醸造業に転換し、食材の宅配や印刷事業を展開。同社はここ数年、印刷会社を相次いで買収している。東洋紙業(大阪)、恒陽社印刷所(東京)、真生印刷(大阪)、デジタル総合印刷(大阪)、メディアグラフィックス(東京)、報宣印刷(東京)、イーライフ(神奈川)、ジャパンプリントシステム(東京)、竹内文化印刷(東京)、鶴亀製本(埼玉)など、印刷会社や広告会社で、製本会社を買収しタイヘイグループにおける「広告・印刷グループ」を形成している。今回の映画雑誌「SCREEN」により出版社にもM&Aの対象を拡大した。

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