2013年5万5千店、2015年8万9千店に増加
「食」の観点から地方へのインバウンド需要喚起
農林水産省は外務省の協力を得て海外の日本食レストラン数の調査を実施し、8月28日に発表した。それによると、海外の日本食レストランは約8万9千店(平成27年7月時点)で前回調査(平成25年1月時点)の1.6倍に拡大していることがわかった。
海外日本食レストラン数の調査は外務省の協力により229の在外公館で調査を実施した。平成27年7月時点で前回調査(約5万5千店)の1.6倍に相当する約8万9千店の日本食レストランが存在し、地域別ではオセアニア約1,850店(約2.6倍)、アジア約45,300店(約1.7倍)、中南米約3,100店(約1.1倍)、ロシア約1,850店(約1.5倍)、北米約25,100店(約1.5倍)、アフリカ約300店(約2倍)、欧州約10,550店(約1.9倍)、中東約600店(約2.4倍)となった。
こうした結果を踏まえて、農林水産省は、日本の食文化の輸出拡大を推進するための「日本食・食文化の普及検討委員会」、さらにインバウンド需要を取り込むために「食と農の景勝地(仮称)の検討委員会」を立ち上げた。インバウンド需要による農山部や漁村の活性化、6次産業の市場規模の拡大、地方創生でインバウンド市場を取り込んでいくための訪日外国人旅行者の需要喚起を推進する。また南北に長い日本の国土が育んだ多様性を備えた地域の食・食文化を海外にわかりやすく発信する取組みも併せて推進する。
農林水産省は、地域の食文化を中核に気候や風土、景観、歴史などの観光資源と一体的に形成する「景勝地」を海外に発信するインバウンド需要施策の施策を推進しており、日本食・食文化の普及検討委員会と官民が連携して、「日本食文化サポーター店制度」や「海外日本料理技能認定制度」、日本産の農林水産物・食品の輸出、地理的表示保護制度の創設によりインバウンド需要の拡大を図る。