鉄道各社でタブレット端末導入
スムーズな案内、情報共有などサービス向上目指す
東京メトロでは、8月1日から、駅社員によるお客様対応の充実等を目的に、全駅でタブレット端末の活用を開始した。同社では、すでに2010年12月から、サービスマネージャーがタブレットを活用した"ご案内サービス"を実施しており、更なるサービスの向上を目指して、駅社員も活用できる情報端末の配備を検討してきた。特に、今回の導入に先駆けて、昨年5月1日から一部の駅で試験運用を実施。良好な結果を得たことから、全駅の改札口等における本格運用に至っている。
東京メトロに導入されたタブレットは、アップル社の「iPad Air 2」870台。全170駅にある改札口や駅事務室、定期券うりばに加え、お忘れ物総合取扱所に配備された。今回の導入により、案内のサービス品質の向上と、音声翻訳アプリを活用した多言語への対応、輸送障害時における駅事務室・改札口間のより迅速な情報共有などの効果が期待されている。
東京メトロだけでなく、鉄道各社でもタブレット端末の導入が進んでいる。例えば、JR東日本では、昨年6月にタブレット端末を14,000台導入したが、先駆けて導入していた7,000台と合わせると2万台を超えるタブレット端末を利用していることとなる。JR西日本では、今年から新幹線の全乗務員(運転士・車掌・客室乗務員)がタブレット端末を携帯し、異常時の対応のスピード化や、顧客対応の強化を図るとしている。その他、小田急電鉄、西武鉄道、東武鉄道などの大手私鉄でも、導入箇所は違えども、タブレットの採用が進んでいる。
鉄道会社のタブレット端末の採用は、主にサービスの現場の質的向上を目的としている。スムーズな案内、多言語対応、非常時の情報共有など、多様な対応を可能にするタブレット端末の活用が期待されている。