モバイル非対応企業はgoogle検索に影響
モバイルゲドンで変わるWeb戦略
アドビシステムズが7月末に発表した「デジタル広告レポート」によると、Webサイトがモバイルに対応していない企業は検索ランキングに影響することが判明した。
これは、Googleが4月末に実施したアルゴリズムのアップデート、通称「モバイルゲドン」と呼ばれるもので、Webサイトの検索ランキングの指標の一つとして、モバイル対応が採用された。
アップデートから2ヶ月以上を経た段階で、Webサイトをモバイル対応にしなかった企業はその影響を受け、前年比で最大10%のトラフィックを失ったという。また、Google自身もその影響を受けていることが明らかになった。
デジタル広告やソーシャルメディアによる最新トレンドを伝えるAdobe Digital Index(ADI)によると、モバイルWeb戦略を無視したブランドはGoogleネットワーク経由のモバイル広告で得られる価値の低下と、コスト増大を経験。さらに、モバイルのCTR(クリック率)とCPC(クリック単価)のギャップが拡大している。モバイルCPCが前年比16%上昇したのに対し、CTRは前年比9%減少した。
CPC上昇により広告への支出を拡大しなければ従来と同じ効果が得られないクリックインフレと呼ばれる状況が生じ、広告予算の肥大化が起きている。こうした状況の一方で、Facebookはモバイルへの対応をより大きな規模で進めることにより自らの優位性を高めている。
インターネットの広告は、顧客の情報取得や、アクセスの分析などが可能なことから、企業のマーケティングで重要なツールの一つとなっている。検索エンジンのアルゴリズムの変更は、こうしたビジネスに大きな影響を及ぼす。しかし、デジタル広告が一般化し、競争が激化する中で、環境の変化は他社との優位性を高めるきっかけとも捉えることが出来る。