主婦のネットコミュニケーションが市場を生む

新しいライフスタイル発信へ

大日本印刷は、購入チャネルがどのように利用されているか等の購買行動の実態を調査・研究した「メディアバリューレポート」で、主婦層が生み出している"新しい暮らし"について報告している。それによると、2014年10月の定点調査時点で、主婦層の携帯電話とスマートフォンの所有率が、全体(10~60代男女)平均を超え、スマートフォンのみでも2012年の約3割から、この2年で倍増。全体平均にほぼ並ぶ62.6%に上っている。パソコン時代には普及過程で遅れをとっていた主婦が、スマートフォン時代の到来でネットとの繋がりを加速させている。
主婦がスマートフォンを通じて利用するサービスは変化しており、2012年は「音楽を聴く」が最も利用されるサービスだったのが、2014年にはクーポンやSNSなど買い物やコミュニケーションに関わるサービスの利用が上回った。また、主婦のスマートフォン利用が定着すると共に、InstagramなどのSNSやレシピサイトへの投稿・利用も増加している。
スマートフォンの利用が活発になったことで、主婦の目線で日々の暮らしが共有されるようになった。その結果、主婦の暮らしの実際を起点とした新たな商品やトレンドが生まれてきている。例えば、にぎらないおにぎりの「おにぎらず」や、ぎっしりキャベツを挟んだサンドイッチ「沼サン」などは、主婦目線の商品として多くの主婦に広がった。これまでにも、鍋のまま食卓に出せるカラフルなル・クルーゼやお掃除ロボットなど、利便性や機能性が高いだけでなく、主婦の家事や暮らしに彩りを添える商品が共感を得て、支持を集めている。
スマートフォンを通じて社会と繋がり、主婦の情報受発信が活発化したことで、これまで見えなかった主婦目線の市場が顕在化するようになっている。

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