ブックオンデマンドの流通を開始
出版社が書籍データを提供
株式会社出版デジタル機構は、利用者の注文に応じて印刷、製本、販売される「プリント・オン・デマンド(POD)」書籍のデータを、出版社から販売店に取次ぐ事業を開始した。
出版デジタル機構は、電子出版ビジネスの市場を拡大し、新規参入を促すインフラの構築を目的に、2012年4月、大手出版社・印刷会社が出資して設立した。以来、電子書籍取次事業で1,000社を超える出版社、700サイト以上の電子書店と連携し、27万タイトル以上の電子書籍データを流通させている。
現在、国内の出版社は出版点数の増加に伴う在庫負担の軽減を図るため、過去に出版した書籍の重版に慎重になり、これを電子書籍で代替しようという傾向がある。しかしながら、こうした出版物を紙の書籍で読みたいというニーズも存在し、出版社と著作者もこの需要に応えたいと考えている。また、販売店も在庫切れによる販売機会の損失を避ける手段として、POD出版に注目している。
出版デジタル機構はそうしたニーズに応え、リーズナブルな価格で読者にPOD書籍を提供すべく、アマゾンジャパン「プリント・オン・デマンドプログラム」、および三省堂書店「三省堂書店オンデマンド」と、PODデータの提供に関する契約を締結、各サービスへのデータ取次ぎを開始。
旅行および観光に関する調査研究機関である公益財団法人日本交通公社による学術的、実践的な専門書籍などを皮切りに、今後、さまざまな出版社、多種多様なジャンルの出版物のPODデータを取次いでいく。
出版デジタル機構は、電子書籍流通を支えてきた実績を活かし、出版社よりPODデータを預かり、書誌情報と合わせ、書店に提供する。また、各書店での販促支援、販売実績の管理、出版社に売上を分配する。