業界の動き【2015年4月】
用紙値上げで要望書 ◆全印工連
全日本印刷工業組合連合会はこのほど、日本洋紙板紙卸商業組合に対し、印刷用紙値上げに関しての要望書を提出した。全印工連としては「紙の需要が減少する中で、毎年のように実施される印刷用紙の値上げは、紙媒体離れを一層加速する行為であり、目先の利益は確保できるものの、中長期的には負のスパイラルに陥り、印刷業界はもとより紙流通業の存続をも危うくすることに他ならない」ことを指摘。用紙の透明性・公平性ある価格体系の実現に向け、協力を求めた。
地区協で委員会活動報告 ◆東京地区協
東京都印刷工業組合は2月16日、東京都中央区の日本印刷会館で平成26年度下期東京地区印刷協議会を開催し、各委員会の活動状況を報告した。島村博之理事長は「今日はパートナー企業にも出席して頂いた。組合が何を進めているか知って頂き、パートナーの価値を感じて頂きたい。支部を代表して各委員会に参加してもらっているが、期限がある。限られた期間だが、支部に情報を持ち帰って伝えて頂きたい」と挨拶。協議会では、経営革新・マーケティング委員会、環境・労務委員会、組織・共済委員会、教育・研修委員会、CSR推進専門委員会と、広報専門委員会で全日本印刷工業組合連合会の女性活躍推進室、産業戦略デザイン室、印刷産業連携推進室が事業報告を行った。
書店で電子書籍販売へ ◆書店・印刷会社
書店における電子書籍販売推進コンソーシアムは昨年6月から今年2月末まで、「リアル書店での電子書籍販売実証事業(BooCa)」を実施。実証を踏まえて事業化に向けたステップに移った。コンソーシアムには、今井書店、大阪屋、紀伊國屋書店、三省堂書店、ソニーマーケティング、大日本印刷/トゥ・ディファクト、トーハン、凸版印刷/BookLive、日本出版販売、ブックウォーカー、豊川堂、有隣堂、楽天が参加。日本出版インフラセンターが事務局を務める。実証事業では、三省堂書店神保町本店、有隣堂ヨドバシAKIBA店、豊川堂カルミア店、本の学校今井ブックセンターで、本屋で買える電子書籍カード「BooCa」を販売。BooCaは購入すると、記載されたタイトルの電子書籍を提携する電子書籍配信サイトからダウンロードして読める。
年賀状デザインのアンケート ◆ジャグラ
年賀状デザインコンテストを主管する日本グラフィックサービス工業会経営委員会は、昨年実施した第2回・2015未年年賀状デザインコンテストのアンケートを実施した。121社から得たアンケートの結果、「年賀状サービスの提供」は90.1%が「提供している」と応えている。また、「今回の事業をきっかけに始めた」会員企業も1.7%あった。年賀状サービス提供企業のうち、「ジャグラ年賀状デザインの利用」については、83.8%が利用。「利用しなかった」理由については、「提供のタイミングが遅かった」が44.4%と最も多かった。「市販デザインとの併用」は71.0%が併用しており、29.0%がジャグラ年賀状デザイン単独で使用した。
資機材認証にドライトナー追加 ◆日印産連
日本印刷産業連合会はこのほど、グリーンプリンティング(GP)認定制度の資機材認定制度で、「ドライトナー型デジタル印刷機」の試行をスタートした。今後、5月に認定基準を正式決定し、6月に認定、7月から正式に開始する。今回の措置は印刷会社で普及が進む「ドライトナー型デジタル印刷機」をGP資機材認定品目として認定基準に追加するためのもの。環境配慮基準は、トナー等の環境汚染物質の削減、本体・トナー等の省資源、損紙削減のための機能、消費電力の削減、部品のサポート期間、部品の再生材使用、部品・消耗品のリサイクル、作業環境対策等、24項目に及び、環境配慮基準の達成度により、3種類のGPマークが表示できる仕組みになっている。
10社を個人情報保護認定 ◆全印工連・宮城工組
全日本印刷工業組合連合会はこのほど、日本印刷個人情報保護体制認定制度(JPPS)に宮城県印刷工業組合員10社を東京都印刷工業組合の組合員以外では、全国で初めて認定した。JPPSは2005年10月に東京都印刷工業組合が立ち上げた制度で、138社を認定している(2015年3月現在)。プライバシーマークやISMSに準ずる情報マネジメント認定制度になる、個人情報保護の機運が高まる中で、他県工組からも認定を受けたいとの要望を受け、今年度から全国展開している。
最も美しい本、銅賞受賞 ◆日印産連・書協
日本印刷産業連合会と日本書籍出版協会が主催する第48回造本装幀コンクールで、読書推進運動協議会賞を受賞した「MOTION SILHOUETTE」が、「世界でも最も美しい本コンクール」で銅賞を受賞した。「世界で最も美しい本コンクール」は各国のブックデザイン賞の入賞作品を審査対象に表彰するコンクールで、今回、30ヵ国585作品がエントリーされた。
官公需・用紙問題を協議 ◆関東地区協
全日本印刷工業組合連合会の関東甲信越静地区印刷協議会の平成26年度下期定例会が東京都品川区のハイデルベルグ・ジャパン本社で開催された。官公需、用紙値上げを中心に各県の情報交換を行った。冒頭、日暮秀一会長は、米国コンサルタントのジョー・ウエブ博士が2010年に発行した『未来を破壊する』で示した2015年の業界予測に合致した状況にあることを指摘。「2015年にやるべきこととして、インバウンドを挙げている。景況感と地方の中小零細企業で消費喚起に結び付いていないが、接点をいかに作るかが重要になる。地域情報を交換して地元で展開できるような土産を持って帰って頂きたい」と挨拶した。
マーチング全国大会盛況 ◆マーチング委員会
一般社団法人マーチング委員会の第4回全国大会が、大分県別府市の別府温泉ホテル白菊で開催された。総会、特別講演会、九州地区に所在する委員会の活動報告セミナー、情報交換会という構成で行われた。総会で井上雅博理事長は、昨年度の活動を振り返りつつ、2020年の東京オリンピック開催及び観光庁が掲げている外国観光客2,000万人誘致を目標とした動きなどに触れ、「地域活性はインバウンド観光の目玉の一つといわれている。より広くマーチング委員会の活動を周知して認知度を上げていきたい」と挨拶。新年度事業では昨年に引き続き、東京国際ブックフェアに出展するほか、新たな取り組みとして、全国メンバーの情報の発信拠点となるマーチングプラットフォーム構想に着手することが発表された。