多種多様な年賀状が揃った未年
やっぱり印刷会社の年賀状はおもしろい
世の中には製造業として括られる業態は多いが、同じ業者・業界の中で、印刷業ほど企業によって製造技術、生産物が異なるものを扱っている業態は少ないのではないだろうか。そして、印刷業が製造しているものは、一般的には顧客(企業)から受注した印刷物のため、自社製品はほとんどないといっていい。
そんな印刷業が、自社のために制作しているものの代表格は、会社案内、カレンダー、年賀状などがあるだろう。最近では会社案内も大変凝って制作している企業が登場しているが、一般的な冊子スタイルが大半である。またカレンダーに至っては、毎年定例のスタイルにすることで渡した人に喜ばれている場合もあり、形態を簡単に変えるというものではない。
それに比べて『年賀状』については、デザインの主役となる干支が、当たり前だが毎年変わるということもあってか、デザインに限らず、印刷手法や年賀状のカタチそのものを変える企業などもある。今年ニュープリンティングに寄せされた年賀状を見ただけでも、ARを採用した年賀状、特殊加工を施した年賀状、カレンダーを年賀状として同封しているものなど、様々あった。
ARの採用は、日本郵便の年賀状制作サービスでも行われるなど、認知度の高まりが感じられる。配信されている内容も音楽や映像で、ARを付けることで、遠方の知人に近況を楽しく報告するのに秀でた紙メディアになることが感じられる。
一方、特殊加工などで一工夫している年賀状のインパクトも強い。未年のもこもこ感を表現したもの、クリアトナーなどで地紋をデザインしたり部分加工しているもの、中には厚紙・活版印刷で味わい深い年賀状に仕上げている企業もある。やはり印刷会社の年賀状は面白いと思う。