"体験"の質を求める時代が到来
2014年のヒット商品1位は「特別列車旅行」
博報堂生活総合研究所は、2014年に生活者が関心を示したと思われるモノやサービス、コンテンツ事例(ヒット商品)についての調査(調査タイトル「今年のときめき」)を実施し、その結果と分析を発表している。
調査からは、消費者の価値観が「安さ」から「質」へ動いているとしており、ヒット商品のキーワードとして『感動を拡げる』『未来を感じる』『普通を高める』の3つを上げている。
「質」を求める傾向とは、例えばランキング1位となった『特別列車旅行』の場合、高級ホテルのような「おもてなし」を味わえる観光列車や足湯が設置された新幹線等、移動手段である列車で「質」の高い体験を楽しめる旅行。その他にも、USJ内に新たに登場した「ハリー・ポッター」や高音質音楽プレーヤー等、今までにない「質」の体験を提供するモノやサービス、コンテンツがランクインした。
上位10位までを順に紹介すると、「特別列車旅行」「3Dプリンター」「USJ『ハリー・ポッター』」「高音質音楽プレイヤー」「ソチ五輪」「超大型ショッピングモール」「車内が広い軽自動車」「消せる色えんぴつ」「携帯電話の格安通話」「SIMロックフリー端末」。
今回の調査結果から、同研究所では2014年のキーワードについて、「体験の品質」を掲げた。情報化が加速度的に浸透する一方で、リアルの価値が復興。消費者の欲望は、全身で感じる体験へと向かい、その中で生活者は体験にも質があることを感じ始めた時代を迎えているとしている。
"質"といえばモノをイメージしがちだが、消費者は無自覚のうちに"体験の品質"を感じとり、その質差に心が動いているようだと分析。体験も質差を競う時代へ移行しつつある、その幕開けを感じさせる年となったとまとめている。