根強いオリジナルウェア需要

新しい制作手法、素材に注目

オリジナルウェアの根強い需要に伴い、様々な制作手法が登場している。
学校の行事用で使うTシャツやクールビズを背景とした企業向けポロシャツ、イベント用Tシャツや販促用小物など、オリジナル商品に対する要望の増加により、必要なときに必要な量を安価に、短納期でプリントしたいというニーズが高まっている。また、競合店との差別化を図るために、プリントの品質にも表現力が求められている。
しかし、従来のシルクスクリーン印刷工程では、製版やインキの調合など印刷準備やメンテナンスに時間を要し、作業にあたっては専門の熟練工を必要とするため、小ロット印刷を短納期・低コストで対応するのは困難だった。また、写真などの階調表現に必要な多色プリントは手間とコストがかかっていた。
エプソンの「SC-F2000」は直接布地に多色プリントできるインクジェットプリンタ。印刷専門の展示会でも注目を集めている。紙にプリントする感覚で出力できる点と、機械価格が比較的安価であり、印刷業の新しいビジネスとしても取り込めそうだ。
また、クイックプットの熱を使わずにどんなものにも貼れる「QuickPut」は、繊維などの多くの伸びる素材に追随して伸び縮みする特殊素材。洗濯も可能で、こすって貼るだけで済む。
現在の国内の戦闘機に描かれている国旗や部隊のマークは、粘着素材が使用されている。同社では音速でもはがれないそのシールを一般的により使い易くして、伸縮性を加えた。
Tシャツの季節である夏が過ぎ、これからポロシャツやトレーナーの需要が増えてくる。オリジナルで作成したいニーズにどう応えるか。新しい印刷手法や素材に注目していきたい。

イベント情報&業界ニューストップへ