デジタル時代の車内広告とは!?
最新車両のデジタル広告と中吊りの電子ペーパー
東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)において、デジタル化時代に反映した車内広告の動きがみられる。そのひとつが7月2日に発表した、東京の中心地を巡る山手線で利用する新型通勤車両E235系で、広告媒体をデジタルサイネージ化(液晶画面化)である。
発表された新型車両は、大きな窓や表示装置を採用して、"人と人、人と社会をつなぐ"あるいは"居住空間を広く感じるオープンなデザイン"などを特長としたデザインで、量産先行車として製作された。2015年3月以降に落成し、2015年秋頃から山手線で営業運転を開始する予定としている。車両そのものは、車いすやベビーカーが利用しやすい空間づくり、情報提供装置の増設、消費電力の抑制をはじめとする環境負荷の低減などが特長。車内風景には、中吊り広告はなく、広告媒体の液晶パネルが増設される予定で、"より付加価値の高い情報を、お客様に提供"とある。
その一方、株式会社ジェイアール東日本企画では、新潟県内を運行する電車内の中吊り広告に、電子ペーパーを組み込んだ次世代型のポスターを採用する実証実験を行っている。実証実験は、JR東日本新潟支社エリア内で運行する127系電車の1箇所で行われた。
電子ペーパーの採用は、一度表示した画面は電力がなくともそのまま保持でき、薄くて軽い形状であるという特長を生かしたもの。実証実験用として、今年、新潟市にオープンした2つのマンガ・アニメ体験型施設をPRするコンテンツが制作され、施設の展示物や館内の紹介など切り替えながら表示する新たな広告媒体となった。
中吊り広告本来の存在感と、電子ペーパーの特長である省電力性とフレキシブル性が、新しい広告メディアとしてどのような効果を発揮したか、気になるところである。