B to C市場が急速に成長中
タブレット、モバイルの普及が後押し
矢野経済研究所によると2013年度国内eラーニングの市場規模は、前年度比111.7%の947億円と拡大を見込む。内訳は法人向け(企業・団体内個人を含む)のB to B市場規模が同101.8%の568億円と堅調であるのに対し、個人向けのB to C市場規模は同130.7%の379億円と大手教育事業者によるサービス導入を背景に、大幅な拡大が見込まれる。2014年度のeラーニングの市場規模は前年度比159.3%の1,509億円と、引き続きB to C市場が大きく伸長し、市場規模拡大を牽引すると予測する。
2013年度のB to B市場規模は前年度比101.8%の568億円と堅調な推移を見込む。近年、当該市場はほぼ横ばいで推移。その背景として、eラーニング需要の高い大手ユーザー企業には一定程度eラーニングがすでに導入済みであることや、景況感の先行き不透明感から業務における基幹システムへの投資を優先し、eラーニングに対する投資抑制が行われていたこと等が挙げられる。
2013年度のB to C市場規模は前年度比130.7%の379億円と大幅な拡大が見込まれる。その主因は、通信教育、学習塾などの大手教育事業者による学習専用タブレット端末を使用した学習コースの導入が進行したことにある。モバイル端末の急速な普及や情報通信技術の向上は、EdTech(EducationとTechnologyの融合)という環境をもたらしており、ベンチャー企業をはじめ、新たに異業種からeラーニング事業領域へ参入する事業者を増加させている。しかしながら、急速に増加しているモバイル端末を使用した学習アプリなどのサービスは、無料ないし月額数百円程度の安価で提供されるものが大半を占める。
2014年度においても引き続き大手教育事業者を中心にタブレット端末を使用した学習コースの導入拡大が予定されている。