電子書籍販売推進コンソーシアム設立
本と電子書籍で書店の活性化狙う
日本出版インフラセンター(JPO)は、「書店における電子書籍販売推進コンソーシアム」を設立している。これは、JPOが2011年より経済産業省の支援を受けて立ち上げた「フューチャー・ブックストア・フォーラム」において、"リアル書店における電子書籍の販売のあり方"について検証することを目的として発足したもの。
リアル書店での電子書籍販売について提案されている内容は、書店の空間を利用した電子書籍コンテンツの陳列販売、紙の本と電子書籍のセット販売、店頭現金決済や図書カードといった多彩な決済手段など。インターネット上での購買活動が活発化している今、改めてリアル書店のあり方を見直す動きであるとともに、いつでも・どこでも、どんな書籍コンテンツも購入できる環境を読者に提供する、ということを模索する動きともいえる。
検証される内容は、①リアル書店において陳列された作品カードを購入した後、顧客が複数の電子書店から選択して電子書籍をダウンロードできる販売モデルの詳細検討、②検討した販売モデルの可能性検証のための実証実験の実施。このコンソーシアムには、今井書店、紀伊国屋書店、三省堂書店、楽天、大日本印刷、凸版印刷、大阪屋、トーハン、日本出版販売などコンテンツ制作から物流、販売まで各分野の企業が参加している。
小さな町にも必ず本を販売している店舗があると言われていた日本だが、今や昔の話である。書店の数は2013年3月末時点で約1万6,000店となり、過去10年間で約7,000店減少したといわれている。メディアの多様化と大型書店の増加、地方都市の過疎化、販売モデルの変化など複合的な理由がその背景には考えられるが、この検証が過去への回帰ではなく、新しい書籍コンテンツ提供のスタイル構築に繋がることを期待したい。