企業の動き【2014年3月】
開発・生産拠点を統合 ◆FFGS
富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ(FFGS)は4月1日付で、刷版材料事業強化を目的に、富士フイルムの刷版材料の開発・生産拠点である吉田南工場の開発センターと生産センターおよび、富士フイルム静岡の刷版材料加工部門をFFGSに統合し、刷版材料の研究開発と生産を新たにスタートする。富士フイルム吉田南工場の開発センターと生産センターは、40年にわたり刷版材料とその関連薬品を中心とした研究開発、生産・加工を推進してきた。国内および海外市場への製品供給はもちろん、富士フイルムグループ刷版事業における世界4極生産体制(日本・吉田南工場、米国・グリーンウッド工場、オランダ・チルバーグ工場、中国・河北省工場、中国・蘇州工場)の司令塔としての機能を担ってきた。今回、FFGSに富士フイルム吉田南工場の開発センターと生産センターを統合することで、刷版材料の開発から生産、販売までを一貫して行う体制を構築し、国内外の幅広い市場ニーズにマッチした多様な商品をこれまで以上にスピーディーに提供して、事業の拡大を図る。
耐久性高いブランケット ◆紅屋オフセット
紅屋オフセットは、2013年1月からフリントグループの「スチールバックブランケット」(単胴機用)の共同開発をスタートし、川島工場(埼玉県)で実機テストを進めていたが、このほど本格稼働を開始した。ブランケットの耐久性が約5倍程度向上し、見当性やブラン離れがよく、洗浄性にも優れているという結果を得た。単胴機用の開発は、全国で約1,400台あるといわれているオフ輪の中で、圧倒的に単胴機が多い日本市場に向けて行われたもの。スチールバックブランケットは、ブランケットの基布層の部分をステンレススチールにしたもの。ギャップ部でのヘタリがなくなるので印刷面積が広がり、見当精度も改善。ブランケット厚みの変化も少なく、耐衝撃性も向上される。
アズーラで低温乾燥実現 ◆紅屋オフセット
紅屋オフセットは昨年12月から、水が徹底的に絞れる現像レスプレート「:Azura TS」(以下アズーラ)の本格運用を開始し、オフセット輪転機での「低温乾燥印刷」を実現した。枚葉オフセット印刷では、アズーラによる「速乾印刷」の効果が報告されていたが、紅屋オフセットではオフセット輪転で水とインキを絞ることにより、ドライヤーの熱温度を下げ、ガスの消費量を大幅に抑えた。約20~30%のガスの消費がカットされ、1台につき月間で31.8万円程度のガス代が削減されると見込んでいる。同社では2台のオフ輪機で「低温乾燥印刷」を、2台の枚葉オフ機で「速乾印刷」の仕様にしており、順次、すべての印刷機に広げていくという。
営業支援ツールを販売開始 ◆モトヤ
モトヤは、5月から淡路印刷とグループ会社のあわプリメディアデザインが開発した印刷会社向けの営業支援ツール「楽Luck営業!やったる!」の全国販売を開始する。同ツールは毎月1業種に絞り、その業種に最適化された営業支援用の様々な印刷製品やデザイン、販促ツールのデザインデータを毎月3万3,800円で提供する。営業の武器を提供することで印刷営業における新規営業を支援する。新規訪問のハードルを下げ、営業マンのストレスを減らしながら成功体験へ導くツールとして全国100社限定で販売する。淡路印刷は同ツールを使って1年間で100社を超える新規顧客を開拓した。
小松印刷に経営統合 ◆ワタナベメディア
ワタナベメディアプロダクツ(千葉県木更津市)は2月1日付で、小松印刷(香川県高松市)と経営統合し、小松印刷グループの傘下に入った。経営統合に伴い、ワタナベメディアプロダクツの小松照弘氏が新社長に就任した。
ビスタプリントに事業譲渡 ◆プラザクリエイト
DPEショップの「パレットプラザ」や「55ステーション」を全国にFC展開しているプラザクリエイトは2月28日、世界最大のネット印刷通販会社のビスタプリントディアウトリビューションB.V.(ロバート・キーンCEO、本店所在地オランダ)の完全子会社であるビスタプリント・ジャパン(2013年12月10日設立、東京都中央区)を継承先として事業の一部を譲渡し、会社分割を行った。
14.5億円の第3者割当増資 ◆ラクスル
ラクスルは、このほど、WiLを中心に、グローバル・ブレイン、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、プラス、GMOベンチャーパートナーズ、ミクシィを引受先とする6社から総額約14.5億円の第三者割当増資を実施した。ラクスルは印刷機を持たずネットワークを活用し、日本各地の印刷会社の非稼働時間を活用することで、低価格な印刷物を提供する印刷のEコマース事業を展開している。
新春フェアが盛況 ◆ショーワ
ショーワは2月13、14日の両日、東京都千代田区の本社ショールームと特設会場で「一歩先ゆくショーワ新春フェア2014」を開催した。会場では、オンデマンド印刷機をはじめ、ワークフローやWeb to Printなどのシステムから環境対応CTP、多品種・小ロット対応の後加工機の数々を展示。また、高付加価値印刷を支援するラミネーターやストレッチ印刷機などを紹介した。併催のショーワユーザー会SHOWA会主催の講演会は、2月13日、ブライター・レイターの山下潤一郎氏が「未来を破壊する印刷会社の戦略」、14日はJAGAT研究調査部の郡司秀明部長が「『page2014』から推察する今後の展開」を演題にそれぞれ講演した。各回ともショーワ本社前の西神田コスモス館で14時から開催された。
キャンペーンを実施中 ◆東京ラミネックス
東京ラミネックスは2月末日まで、対象機種の購入でメンテナンスチケット20万円分と搬入費やフイルム等に使えるフリーチケット3万円分を贈呈する「2014TOLAMI NEWYEARキャンペーン」を実施している。対象機種はラミネーターのTASⅡ、TAFⅡシステム、Z'DⅡ、SDX-700。
製本の明日を考える ◆ミューラー・マルティニ
ミューラー・マルティニジャパンは2月14日、東京都渋谷区のアイビーホールで、ミューラー・マルティニ日本法人として設立40周年を記念し、「製本の明日を考える」セミナーを開催し、印刷製本と紙メディアの今後の方向を示唆した。130人が参加したセミナーではミューラー・マルティニグループCEO(最高経営責任者)のブルーノ・ミューラー氏の「紙メディアと製本の未来」を演題とする講演をはじめ、欧米のデジタル製本の事例やPUR製本の最新動向、同社の製本デジタルワークフローなどを紹介した。
CSR調達を強化 ◆凸版印刷
凸版印刷は、サプライチェーン全体でCSR(企業の社会的責任)に取り組むために基本となるCSR調達ガイドラインを改定し、発行した。CSR活動のグローバル対応への要請が高まる中、同社では2006年9月に「国連グローバル・コンパクト」に参加し、人権・労働基準・環境・腐敗防止に関わる10原則を支持することを表明。さらに、2011年度からISO26000の概念をCSRマネジメントに取り込み、解決すべき社会的な課題と果たすべき社会的責任を明確にした活動を進めている。