業界の動き【2014年3月】
設備投資促進税制が施行 ◆政府
1月20日から「生産性向上設備投資促進税制」が施行された。生産性につながる設備投資について、即時償却もしくは法人税率の軽減が選択できるもので、資本金1億円以下の中小企業者に手厚い制度となっている。とくに税額控除は資本金3,000万円以下の法人及び個人事業主の場合、税額控除7%にさらに上乗せされ、10%の控除が可能になる。印刷製本関連機械は一般社団法人日本印刷産業機械工業会が証明書を発行する。
不況業種から印刷産業はずれる ◆政府
セーフティネット保証5号の指定業種が平成25年度補正予算成立から一定期間経過後(2月中旬)、642業種から195業種に限定され、印刷産業5業種(印刷業、製版業、製本業、印刷物加工業、印刷サービス関連業)は、指定業種から除外された。2月中旬から3月31日まで同制度による信用保証協会の保証を活用した金融機関からの融資が受けられない。なお、すでに信用保証を受けている場合は除く。中小企業庁では同制度に代わる資金繰り支援制度として、「経営支援型セーフティネット貸付」の活用を呼びかけている。このほか、資金支援としては、このほど成立した産業競争力強化法の設備投資等の促進、経営改善支援の制度も用意されている。
用紙8年連続のマイナス ◆製紙連
日本製紙連合会が発表した2014年(平成26年)紙・板紙内需試算報告によると、2013年の「紙・板紙」の内需試算は前年比0.3%減の2,764万9,000トンになる見込み。また、2014年の「紙・板紙」の内需試算は前年比0.7%減の2,746万トンになる見通し。紙・板紙の内需はリーマン・ショック後の2009年に大きく数量を落とし、2010年は大きな反動もなく微増にとどまった。2011年以降はマイナス成長が続き、2013年は主力の段ボール原紙を中心に板紙は増加したが、紙は減少。全体で微減となり、3年連続のマイナスとなった。「印刷・情報用紙」も同様に情報用紙がほぼ横ばいも、印刷用紙(非塗工、塗工)が減少し、全体で7年連続の減少。2013年の内需試算は同1.3%減の955万トンになる見込み。2014年は同1.5%減の941万トンとなる見通し。印刷・情報用紙のマイナス成長は8年連続。
用紙1月は増税控え、大幅プラス ◆製紙連
日本製紙連合会が発表した平成26年1月の紙・板紙需給速報によると、紙・板紙の国内出荷量は前年比7.7%増と、7ヵ月連続で増加した。このうち印刷・情報用紙は同6.8%増、塗工紙が8.8%増加している。紙・板紙の動きは消費税率アップ前の駆け込み需要が影響しているとみられる。
出版物のマイナス成長続く ◆出版科学研究所
出版科学研究所の「2013年出版物発行・販売概況」によると、2013年の出版物(書籍・雑誌合計)の推定販売金額は前年比3.3%減の1兆6,823億円となった。内訳は書籍が同2.0%減の7,851億円、雑誌が同4.4%減の8,972億円。雑誌の内訳は月刊誌が同3.4%減の7,124億円、週刊誌が同8.1%減の1,848億円となった。推定販売部数は、書籍が同1.5%減の6億7,738万冊、雑誌が同5.9%減の17億6,368万冊。雑誌の内訳は月刊誌が同4.4%減の12億1,396万冊、週刊誌が同8.8%減の5億4,972万冊だった。出版物のマイナスは8年連続。
協会けんぽに支部移管 ◆全印健保
全国印刷工業健康保険組合は、悪化の一途にある財政健全化を果たすために、支部事業所(北海道、東北、甲信越、北陸、静岡、東海、近畿、中国、四国、九州)を協会けんぽに移管することを決めた。これは、財政健全化に向けて組織のスリム化を図るもので、1月21日に開催した第154回組合会で明らかにされたもの。現在、全印健保は、高齢者医療制度への過酷な納付金負担および増大する医療費などの影響により急速に悪化しており、組合財政の建て直しが迫られている。
次期副理事長、専務理事候補決定 ◆東印工組
東京都印刷工業組合の平成26、27年度副理事長、専務理事の候補者がこのほど発表された。候補者は次の通り。
▽副理事長候補=臼田真人氏(港支部、㈱アドピア)、佐竹一郎氏(墨田支部、大東印刷工業㈱)、橋本唱市氏(千代田支部、文唱堂印刷㈱)、木村篤義氏(荒川支部、創文印刷工業㈱)▽専務理事候補=生井義三氏(本部)