進む文化資料のデジタル化
サービス向上と資料活用の活性化に期待
国立国会図書館は、図書館向けデジタル化資料送信サービス(図書館送信)を開始した。これは、国会図書館のデジタル化資料のうち、入手が困難な約131万点の資料が、国立国会図書館の承認を得た最寄の図書館などで閲覧できるようになる、というもの。
同サービスを提供するWebサイトは「国立国会図書館デジタルコレクション」(http://dl.ndl.go.jp)。同サイトでは、図書館送信で利用できる資料を検索でき、検索結果で「国立国会図書館/図書館送信限定」と表示される資料が利用できる資料。具体的には、デジタル化した資料のうち、インターネット公開されておらず、絶版本などの理由で入手な困難な資料が対象。昭和43年までに受け入れた「図書」約50万点、明治期以降の貴重書などの「古典籍」約2万点、平成12年までに発行された「雑誌」67万点、平成3~12年度までに送付され商業出版されていない「博士論文」約12万点。なお、インターネット公開しているものに関しては、国立国会図書館デジタルコレクションのサイト上から、自宅でも本文画像を閲覧できる。
デジタル化サービスの動きは、各地の公共施設でも始まっている。例えば秋田県立博物館では、デジタル収蔵庫を開設した。これは、平成24年度に緊急雇用創出等臨時対策基金事業を財源に始められたもので、共同企業体を結成して延べ16人の新規雇用も創出している。
この事業では同博物館が所蔵している重要文化財をはじめとする県有財産をデジタルアーカイブ化して資料保存するだけでなく、スマホやタブレットでも閲覧できるアプリを開発して無料配布している。順次アーカイブ化していき、約500点収録する予定で、博物館における文化財の収集や公開に加えインパクトある教材の提供という役割も期待されている。