出版物の販売金額が下げ止まり感

書籍は電子と紙の両立の可能性も

出版市場は年々縮小傾向にあり、中でも雑誌の販売数の減少は続いている。「出版指標年俸」「出版月報」で発表されている2013年1月から4月までの出版物の推定販売金額は6,224億円で3.1%のマイナス(書籍が3,181億円で1.0%のマイナス、雑誌が3,043億円で5.1%のマイナス)とう状況で、依然として縮小傾向が続いている。ただし、ここ数年の動きで比較すると、下げ止まり傾向にあるという分析もされている。
経済産業省が発表している統計からも、出版物の売上高は、雑誌が前年比で縮小傾向にあるものの、書籍は2013年の1月と4月が前年比で増加した。メディアの多様化といった市場変化の影響を直撃している雑誌市場は今後も厳しいまま推移していくことが見込まれるが、書籍に関しては人気のタイトル、ベストセラー本を発掘することで売上高や販売数がプラスとなることが期待できる。
雑誌は、一般的に一過性という特質があり、運び安さや場所をとらずに長くストックしておけるといった電子媒体のメリットが享受できるメディアとも考えられる。一方で書籍は、電子化することで沢山の書籍を持ち歩けるというメリットがあるものの、読書好きであるほど電子と紙の両方が欲しいという欲求もあるようで、両立できる可能性が残っている。
なお書籍新刊本については、小ロット化しているという動きがある。実際、2008年の新刊の平均ロットが5,207冊だったのに対し、2011年には4,797冊、2013年には4,338冊と5,000冊を切っている。書籍のオンデマンド印刷の対応がさらに進化したこともあり、出版社が在庫を減らす動きが本格化しているともいえるが、単に出版社のコストの見直しというだけでなく、全国の書店数の減少が初版本の小ロット化を可能にしているということもあるだろう。

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