低価格の3Dプリンタが普及期に
サンプルからプレミアムフィギュアまで
凸版印刷は6月中旬より、国内で初めて、3Dプリンタによる模型作製、設計を活用したプラスチック容器・部材開発サービスを本格的に開始した。
2011年以降、安価な3DCADが普及し、一般的なパソコンにも搭載されるようになったことから急速に製造業で脚光を浴びている。
6月19日から21日まで東京ビッグサイトで開催された3D&バーチャルリアリティ展では、3Dプリンタの出展が多く見られ、来場者の注目を集めた。これまでの3Dプリンタは、数千万円単位が通常であったが、デジタル技術の進展と新素材、接着剤が開発されてきたことで低価格帯のプリンタが市場に登場してきた。市場に出ている低価格のパーソナル3Dプリンタの多くは糸状のプラスチック素材を熱で融解し、積み重ねていく方式が取られている。この状態で作られた3D模型は素材の色のみで着色されていない。現状は形の再現性が肝になっており、着色に関しては3D&バーチャルリアリティ展でも追求されていなかった。
3Dプリンタの活用シーンとしては、3D&バーチャルリアリティ展に見られるように製造業の試作品製作がメイン。しかし、最近は、一品物の小ロット生産から最終造形物を作り出す用途へと広がり始めている。ソニー・ミュージックコミュニケーションズは、3月に開催されたアニメ・コンテンツエキスポ2013で、3Dスキャナーと3Dプリントを使用したプレミアム・フィギュアのテスト販売を実施。3Dスキャナで撮影した人物の3Dフィギュアの製作サービスを展開し、反響を呼んでいる。
なお、印刷業界でも3Dプリンタを導入し、サービスをスタートする企業も出始めている。東京リスマチックは昨年4月に立体造形出力サービスを開始。今年4月からはフルカラー出力が可能な3Dプリンタも導入している。