デジタル教科書化への取組み
若者世代の学習方法が変わる時
大手2社の印刷会社では、デジタル教科書を支援するサービスが本格的に始まっている。デジタル教科書をはじめとする子供向けデジタル教材は、子供達の理解を深めるだけではなく、教師側や学校にとっても配布物の準備や校務管理の準備負担を軽減するものとして注目されているようである。
中でもデジタル教科書化を進めている佐賀県では、2012年度から3年計画で全ての私立小中学校にデジタル教科書と電子黒板を導入するという計画を進めている。その佐賀県にICT教育支援システムを提供したのが凸版印刷で、佐賀県が推進している佐賀県教育情報システム(SEI-Net)向けに構築したもの。佐賀県内すべての児童・生徒、保護者、教職員ら計20万8,000人の利用に対応できるように設計されているとか。
サービスの中身は校務管理・学習者管理・教材管理が一体になったもので、成績処理や出欠管理、行事予定、業務日誌、時間割管理、学習熟度管理、教材管理など、これまで様々なファイル、様々な人を介してまとめてきたものが一つのシステムの中にまとまるというイメージだ。
一方、大日本印刷においても北海道教育大学付属旭川小学校で開催の教育研究大会の公開授業において、デジタル教科書・教材システムを利用した実証実験を行った。採用されたデジタル教科書・教材システムは、閲覧・操作に必要なビュアー、学習履歴の保存機能などをもつ。実証実験では国語の教材を使用し、課題の抽出、必要な機能などの検証が行われた。
いずれもICT技術を活用して学習効果を高めていく制作が行政指導のもと進められているという背景がある。まだ国内では1人1台の端末には至っていないが、今まさに生徒の理解を深めるためのデジタル教材のあり方を検証している段階にある。