電子書籍市場全体は729億円、2017年度に2,400億円規模へ成長か
スマホ、タブレットユーザーが増加
日本の2012年度の電子書籍市場規模は前年比15.9%増の729億円となり、2011年度の629億円から100億円(15.9%)増加した。新たなプラットフォーム向け電子書籍市場が急速に拡大しており、2010年度から2011年度で一時的に落ち込んだ電子書籍市場規模は、再び拡大基調へ転じた。インターネットメディア総合研究所が、電子書籍の動向を調査し、電子書籍に関する市場規模の推計結果を発表した。
日本の電子書籍は、2002年からPCやPDA向け電子書籍から始まり、その後、市場の中心はケータイ向け電子書籍に移行して大きく成長してきた。2010年に入ると、プラットフォームもスマートフォン、タブレット、専用の電子ブックリーダーへと多様化し、2012年度には海外事業者も日本市場へ参入。電子書籍市場は主要なプレイヤーが出揃い、本格的なスタートラインに立った。
新たなプラットフォーム向け電子書籍市場は対前年比228.6%増の368億円と推計され、スマートフォンやタブレットユーザーの増加、楽天Kobo、米国アマゾン社のKindle等の海外事業者の参入をきっかけとして認知が広がり、また、ケータイ向け電子書籍のノウハウを活かした電子書籍ストアも好調が続き、新プラットフォーム向け電子書籍市場は、市場全体の50.5%を占めるようになり、急速に落ち込んでいるケータイ向け電子書籍市場を逆転している。
これまで市場の中心を担ってきたケータイ向け電子書籍市場は351億円となり、2011年度から129億円(対前年26.9%減)減少。昨年に引き続き、広告出稿の減少、公式コンテンツで展開している電子書籍ストアの閉鎖等の影響を強く受けている。
新たなプラットフォーム向け電子書籍市場が市場の中心となり、2017年度には2012年度の約3.3倍の2,390億円と予測されている。