大部数の印刷通販が始まる

アイカが「良安」を開設

印刷通販市場に「オフ輪」で参入する企業が登場してきた。小口の印刷ニーズに対し、インターネットと枚葉オフセット印刷による異種多面付(ギャンギング)、ITによる自動化設備で低価格化、短納期の要求に応えている印刷通販サービスだが、数万単位の需要に対応する業態が注目されている。
名古屋市のアイカは6月10日から新事業として印刷ネット通販「良安・リョウアン」をスタートした。アイカグループは、輪転機10台、多色枚葉機7台の印刷設備に加え、各種製本設備を保有する。
新たにオープンした「良安」(http://www.ryoan.net)では、同社の高い生産能力を活かしたオリジナル商品「チラシ王」と「激安フリーペーパー王」を主軸に大量部数の総合印刷通販サービスを展開。価格はB3サイズ、3万1,000部、コート56㎏、片面4色、2営業日納品で、79,600円(6月26日現在)である。1部当たり約2.6円で、部数が10万部になると単価は約1.5円。
同社では全国の折込センターへ分割配送にも対応。100万部のチラシを95ヵ所に分割配送した実績もある。
このほかオフ輪による印刷通販を掲げているのは、「印刷君」(内外印刷)、「輪転堂」(コマップ関西)、「ウェブプレス」(第一製版印刷)、「アイランド」(みやもと)、「スゴプリ」など。オフセット印刷の市場の7割がオフ輪で生産されていると言われており、オフ輪印刷会社の通販参入は、大部数印刷の市場を大きく動かす可能性がある。
当面、既存の小口を中心とする印刷通販との競合はないと見られるが、約600億円とも言われる印刷通販市場。今後も成長が見込まれており、多くの印刷会社は、この分野にどういう形で関わっていくかが問われる。

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