PR市場は拡大傾向に

ソーシャルメディアニーズの増加を予測

公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会がこのほど実施したPR業に関する実態調査で、2012年度のPR専業社46社の平均売上高は9億3,200万円で、2013年度に16%増の10億8,000万円を見込んでいるとの結果が出た。同調査は2007年から隔年で実施され今回は4回目。同協会に加盟する会員企業と非会員企業合わせて202社の広報・PRを取り扱う企業各社を対象に実施している。有効回収数は56社、回収率は27.7%。3月18日から4月5日にかけて実施された。
2012年度のPR業の市場規模は901億円と推計。2008年度が741億円、2010年度が793億円で、一昨年との比較では13.6%増加している。
また、39項目にわたる取り扱い業務のうち、今後ニーズが増えると思われる業務として、「ソーシャルメディア関連」、「PRコンサルティング」、「危機管理」が上位3位に入った。メディアの多様化や企業の危機管理意識の高まりがうかがえる結果となった。
PR専業各社の従業員数の男女比は45%:55%となり、女性が男性を上回っている。女性比率は前回調査(51%)時点から4ポイント上昇。女性が活躍する余地の大きな職種であることが浮き彫りとなっている。
2013年度の成長予測とともに約7割が今後の景気好転を予想しており、PR業界の景気回復を実感させる結果となった。
PR関連市場は、企業の広報がメイン。印刷にも直接関わる業種で、市場拡大は歓迎される。一方で、電子化の傾向も顕著となっており、今後、ニーズが増えると予測される業務に「ソーシャルメディア関連」が上位となっていることは見逃せない。印刷会社にはこの分野でもクロスメディア対応が求められるほか、紙メディアの優位性を訴える必要があるだろう。

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