ミャンマー印刷業との交流を模索
ミャンマー印刷業見学ツアー
京都府印刷工業組合協力の下、国進印刷は6月16日から20日まで、「ミャンマー印刷業界視察と友好交流ツアー」を開催する。
タイに印刷工場を展開する同社は、人件費の高騰などから、ミャンマーで協力会社を探していたところ、同国の印刷出版協会(MPPA)からコンタクトを受けた。MPPAは、国進印刷に対し、協力支援を申し出る一方で、日本の印刷機と部品、オフセット印刷技術者の派遣や日本の印刷製品を紹介する展示会の開催と、交友関係の構築を提案している。
現在、ミャンマーは民主化に伴う経済改革で急速に外資が入り始めている。その影響を受け、印刷の需要が右肩上がりに伸びている。一方で、印刷のレベルは日本から20年~30年ほど遅れている。民主化したとは言え、長年、欧米から経済制裁を受けた同国民は、欧米製の印刷機器は購入せず、ほぼ中古などのルートを辿り日本製の印刷機を導入している。しかし、正規ルートではないため、印刷機の操作が見よう見まねで、設備と技術が需要に追いついていないことが課題となっている。
京印工組は、国進印刷からの相談に対し、協力という形で支援することを決定。ミャンマーの印刷業界の現状を知るため、6月に視察ツアーを実施することになった。
国際交流にまで話が発展したことから4月23日に開催された全日本印刷工業組合連合会の理事会で、京印工組から経緯や経過、ツアーの概要が報告され、有志が同社とミャンマーの現状を視察することになった。
5月には安倍首相がミャンマーを訪れ、官民一体となって国づくりを支援すると表明し、郵便事業も日本型郵便システムの導入が決定している。印刷業界として、どのように新興国の情報文化産業の発展を支援できるのか、注目が集まる。