業務の一括請負いビジネス始まる
印刷を含む全ての業務を支援
5月15日から17日まで、東京・有明の東京ビッグサイトで第4回教育ITソリューションEXPOが開催された。ICT技術を活用した新たな教育現場を支援する様々なソリューションが紹介される同展示会では、デジタルデバイスによる教育支援だけでなく、教員や講師など、運営側が日頃行う校務の一括支援まで提案するBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)が目立った。
例えば凸版印刷は、今年4月から佐賀県で導入されたICT教育支援システムを紹介。電子書籍のポータルサイト運営で培ったコンテンツ管理やユーザーへの情報配信といったノウハウを応用し、校務管理と学習支援、学習教材管理を一括したソリューションシステムとして提案した。
今回の展示会では、教材をデジタル化するというだけに留まらず、ネットワークを活用して、いかにデジタル教材を含めた指導側の運営や業務負荷を軽減するかが提案された。
ヤマトシステム開発は、「試験運営」のワンストップサービスを出展。受験票の発送や問題・解答用紙などの印刷業務を中心に行ってきた同社は、申込み受付や入金、試験会場の設営、採点、結果通知、情報管理まで一括で請負うサービスを行っている。
ここ数年、景気低迷を受け、企業の人員は限られた人数に絞られている。その中で、収益が発生する本来の業務にいかに注力できるかが課題となっており、企業内の印刷物の受発注や在庫管理などを一括で請負うBPOサービスを提供する企業が増加している。
印刷物が関わる業務は、顧客にとって本来の業務の手間になっていることも多い。顧客の課題解決を支援するソリューションプロバイダーへの変革が求められる業界にあって、教育業界のIT化からBPOサービスの可能性が見えてくる。