印刷・情報用紙が1年振り増
輸入紙からの切換え進む
日本製紙連合会が発表した平成25年3月の紙・板紙需給速報によると、国内の総出荷量は前年比1.3%減となった。一方、チラシ、カタログなどに使用する印刷・情報用紙は同2.9%増と、昨年の3月以来1年振りに増加した。内訳は非塗工紙が0.9%減、塗工紙が7.8%増、情報用紙が6.4%減だった。印刷業界内の年度末需要は、商印向けを中心に堅調に推移し、加えて、輸入紙の切り替えが進んだことから増加に転じたと見られる。
2011年の東日本大震災以降、国内の製紙工場の操業停止と円高の影響を受け、輸入紙が増加した。しかし、昨年末から円安が進み、海外でも原材料の高騰から輸入紙の価格が上がってきたため、再び、国内紙への振り替えが進んでいる。さらに4月末からの用紙値上げの発表を受け、前倒しした購入も一部に影響していると予想される。
国内出荷だけでなく、輸出に関しても印刷・情報用紙は好調で、前年比19.1%増と3ヶ月連続で増加している。
ちなみに「紙・板紙内需試算報告」では、印刷・情報用紙の合計について、品種別試算結果を積み上げると、内需量は前年に対し2.8%減少となり、7年連続のマイナス成長、過去の実績値と比較すると、1992年とほぼ同水準になるという試算が出されている。
印刷・情報用紙の国内出荷量は印刷需要にも大きく関わってくる。景気回復への期待感が高まる中、年度末は受注が堅調だったという声も多々聞こえてくる。4月末からの用紙値上げについて、紙卸業者から実際に価格改定の話はまだ出ていないとのことだが、このまま円安が進むと確実に原材料費が高騰するため、用紙値上げは避けられなくなる。受注が堅調に推移しても資材価格が高騰すれば、最終的に価格転嫁できない印刷業にしわ寄せがおき、売上や利益に影響を受ける。