医療機関の有効サイネージ利用
待ち時間の不満はデジタルサイネージが解消
メディアコンテンツファクトリーでは、「患者向け待合室デジタルサイネージ『メディキャスター』」の利用者に対するアンケートを行った。それによると、病院などの医療機関におけるサイネージ利用によって、質問が増え、待ち時間の不満が減少し、診察内容の理解度がアップした、という一定の成果を得ている。
最近は大学病院をはじめとする大規模医療施設の待合室では、地上波テレビの番組よりも、ケーブルテレビや衛星放送、病院情報番組を放映する場所が増えている。こうした医療機関でサイネージを導入する目的の約9割は「患者への広報」で、「待ち時間対策」として活用しているところが約8割と多い。
アンケート調査によると、サイネージを導入したことで5割以上の医療機関が「病気や検査についての質問が増えた」と回答しており、情報を発信することで患者が医師へ質問する行動を促す結果となるなどコミュニケーションツールの役割も果たしているようだ。また13%の医療機関では、「検査や治療の件数が増えた」とのことで、診療にも繋がっている。
大きな目的である待ち時間に対する不満では、約4割の医療機関で不満軽減に繋がっている。さらに33%の医療機関では、「診察内容の理解度が上がった」と回答している。現在はインフォームドコンセプトが行われているが、専門家でない患者が医者からの説明で全ての内容を理解するのは難しい。しかし、待合時間中に、サイネージを通じて診察内容や医療について見聞きしておくことで、診察内容を理解しやすい環境づくりにも役立っている。
"病院は待たされる"という認識が一般化しているが、その時間を逆手にとって、医療に対する理解度を深める役割をサイネージが担いつつある。