業界の動き【2013年3月】

未来の印刷産業を展望 ◆印刷工業会

印刷工業会は先ごろ、東京都千代田区の如水会館で年末会員懇談会を開き、設立60周年記念「未来の印刷産業アピール論文」入賞者を表彰した。印刷工業会60周年記念「未来の印刷産業アピール論文」には93点の応募が寄せられた。最優秀賞には凸版印刷広報本部の山田浩司氏、優秀賞に大日本印刷研究開発センター評価解析研究所第一研究所の溝尻誠氏、電通テックSPDセンターの馬場裕一郎氏の3作品が選ばれ、足立会長から最優秀賞20万円、優秀賞10万円の賞金と記念品が贈られた。最優秀賞の山田氏は「印刷の未来~印刷技術が有する無限の可能性を求めて~」をテーマに、精神的満足を提供するアナログ印刷物の役割とアナログ印刷物にデジタル要素を付加することで生まれる新たな価値の提供という印刷の未来のあり方を提示した。

電子書籍制作サービスを開始 ◆ジャグラ

日本グラフィックサービス工業会は、アドビ社の新しい電子書籍サービス「ADPS」を利用したInDesignデータのiPad用「電子書籍アプリ化代行サービス」を開始した。それに伴い1月16日、ニッケイビルで「ジャグラ新サービス説明会」を開催。ジャグラDTPスクール講師であり、魅力ある電子書籍アプリ製作に精通している樋口泰行氏が、ADPSと電子書籍アプリ制作の基礎知識、魅力ある電子コンテンツの事例などを解説した。当日のセミナーの模様は、USTREAMで生中継されたほか、現在も発信されている。

カレンダー・カタポス表彰式 ◆日印産連

日本印刷産業連合会が主催する「第64回全国カレンダー展」と「第54回全国カタログ・ポスター展」の合同表彰式が、1月19日、東京・日本橋の日本橋三井ホールで開催された。生活に密着した印刷を代表するカレンダーとカタログ・ポスターの優秀作品を選定する両賞の合同表彰式は初めて。合同表彰式への移行にあわせて審査の選定基準も統一し、カレンダー展については第1部・第2部・第3部で各賞を選定している。なお今回の応募点数は、カレンダーが770作品、カタログ・ポスターは693作品(カタログ423点、ポスター270点)となり、表彰式当日は、経済産業大臣賞、文化学大臣賞などの受賞作品をはじめ、両賞の受賞関係者ら300人が出席して盛大に行われた。

書籍・雑誌1兆8,000億円割る ◆出版科学研究所

出版科学研究所がまとめた2012年の出版動向によると、2012年に国内で出版された書籍と雑誌の売上は、推定で合わせて1兆7,440億円と、前年比で約600億円減少し、昭和61年以来、26年ぶりに1兆8,000億円を下回った。ピーク時の平成8年と比較すると3分の2に減少した。

展示会に資料を提供 ◆山形謄写印刷資料館

山形県の中央印刷が運営する山形謄写印刷資料館(後藤卓也館長)の所蔵する謄写印刷の資料が、2月9日から3月24日まで、和歌山県立近代美術館で開催される「謄写版の冒険」展と、4月20日から6月9日まで、神奈川近代文学館で開催される「井上ひさし展」に出品される。

ジャグラ作品展募集開始 ◆ジャグラ

日本グラフィックサービス工業会は3月末日まで、「ジャグラ作品展」(坂本昭一委員長)の作品を募集している。ジャグラ作品展は、応募作品の技術評価を通じて、切磋琢磨するべき技術課題などを探り、業界の技術水準、意欲の向上を図ることを目的に昭和41年から開催されている。「出版印刷物部門」「宣伝印刷物部門」「業務印刷物部門」「開発開拓部門」から経済産業大臣賞2点、経済産業省商務情報政策局長賞2点、厚生労働大臣賞2点、厚生労働省職業能力開発局長賞2点、全国中小企業団体中央会会長賞4点、日本印刷産業連合会会長賞、日本印刷技術協会会長賞、日本印刷機材協議会会長賞、日本グラフィックサービス工業会会長賞などが選ばれる。

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