クラウドサービスが急成長
5年間で年平均32.0%増のペースで
MM総研がまとめた「国内クラウドサービスの市場規模・予測と需要動向に関する調査」によると、国内クラウド市場は急成長しつつあり、2017年度に市場規模が2兆円に達する見通しとなる。企業の情報投資がクラウドを最優先に進展しつつあることが明らかになり、クラウド採用の基準が「低コストの魅力」から「セキュリティレベルの高さ」へと転換したことに加え、情報漏えいやサイバー攻撃、ウィルス感染などの脅威に対して企業が警戒を強めていることも明らかになった。
12年度の国内クラウドサービスの市場規模は5,102億円と推定。その後の5年間は年平均32.0%の高成長を続け、15年度に1兆2,558億円、17年度に2兆411億円に達すると予測している。成長率ではパブリッククラウドの伸びが最も高いが、金額ベースではプライベートクラウドが市場規模全体の7割を占めるものと予想する。
クラウドサービスの急成長の背景には、国内の法人ユーザーの意識の変化があると指摘。新規システム導入時にクラウドの活用を優先的に検討する法人ユーザーは、7割に達するという調査結果が得られた。また、米国などのクラウドの普及が先行している国と同じく、日本でも「クラウドファースト」が浸透してきている傾向が顕著であるとしている。
一方でクラウドサービスが急拡大することに対して、従来の自社でのシステム運用(オンプレミス)は縮小してゆくものと予想。同時に、国内事業者と海外事業者の競争が激化している競争状況も明らかになった。
調査結果から国内のICT総需要が伸び悩むにもかかわらず、クラウドは例外的に急拡大を続けるものと予測できる。国内の法人ユーザーによるICT投資総額は12年度から17年度まで年間約25兆円で横ばいに推移する見込み。