製本用語集

アジロせいほん/アジロとじ/アジロおり (アジロ製本/アジロとじ/アジロ折り)notch binding/burst binding

無線とじが中身の背を削り落とし糊を塗布するのに対し、アジロとじの場合は折り工程で折丁の背の部分にスリッターで切れ目を入れておき、中身の背を切り落とさずに糊を塗布する。糊ローラーで接着剤(ホットメルトが普通)を塗布し、背の部分のアジロ穴に接着剤を浸透させ、折本の中身の1枚ずつが接着されることにより、綴じたものと同様の効果がでるようにする。接着剤はアジロ穴に塗りこまれるだけでなく、中身の背の面、全面に塗布され、ホットメルトのオープンタイム(接着力のある時間帯)中に、中身をくるむように供給され、表紙と結合する。

アジロとじの本は、無線とじの本に比較して、開きが柔軟性に富み、ノドいっぱいまで見開きができて糸かがり本と同様の効果がある。またミーリング工程、背加工工程を省略できるのも利点である。無線とじとほぼ同様の作業工程で、無線とじ機械(バインダー)により行われる。

<アジロ折り>

  1. 折りの工程で本文背側の中心にスリットまたはスロット形状の切れ目を入れて折る。
  2. 折機には円形のスリッターナイフの刃型を1度折り目のローラー部位(8ページ折り)か、2度折り目(16ページ折り)に取り付ける。接着剤の浸透し易いようにカットする長さは15mm、アンカット5mmの間隔幅を持った刃型で折る。枚葉印刷機による印刷紙にはアジロ刃をつけた折り機を使用する。輪転印刷機によるものはアジロの折丁になっていることが多い。
  3. この穿孔により、折丁の袋の部分にエアが溜まらないので、折丁を結束したときの荷姿は正立方体にきっちり整い、丁合機は折丁を取りやすい。アジロ折りは、折り直しが利かないので、折りによるヤレは、注意深く作業して最小限に止めなければならない。
  4. アジロ折り可能は折丁は8ページ・16ページ・12ページ・薄紙32ページの各折り。巻き折り仕様の平行折りはアジロ折りは出来ない。