製本用語集

だんさいほうちょう (断裁庖丁)cutting knife

断裁機(平断裁)、三方断裁機、ボールカッター、ロールカッター等に取り付けられたナイフ。断裁刃には、特殊銅(SKS)、ハイス(SKH)、超銅(GK)がある。超銅(GK)はハガネではなく、タングステンと炭素の粉を焼き固めた非常に固い素材により刃部分がつくられている。焼き入れのきかない付け刃もので耐摩耗性に強い一方、欠点としてはモロく欠けやすい面を持っている。研磨がきかないので使い捨てになるが、ハイスの15~20倍長持ちする。ハイス(SKH)は、上質紙・コート紙・アート紙等に適し抜群の切れ味と耐摩耗性を持っている。硬度はJIS規格Hs85゜~90゜であり、特殊鋼の約2倍長持ちする。特殊銅(SKS=特殊合金鋼)は、軟質紙、和紙等に適し、断裁面は美しく仕上がる。硬質紙にも刃角度を矯正すれば刃こぼれもなく、よい特徴を持っている。硬度はJIS規格Hs83゜~88゜。 摩耗しているナイフ刃先で強引に断裁した場合、紙切り口面(コバ)は、かぶり(アンダーカット)、にげ(オーバーカット)、ホロウカット(にげ・かぶり)、段々カット、紙と紙とのくっつき現象、紙粉現象等のトラブルが発生する。 メーカー 兼房(株)、木村刃物(株)、(株)東京製作所、東研刃物(株)、福田刃物(株)