製本用語集

きょうど (強度)

本の強度は、その本の目的・性格によりいろいろある。保存に耐える強度と読み捨てにする本の強度は当然ちがうし、ひんぱんにくりかえしページを繰る本の強度、ジーパンのお尻のポケットに丸めてつっこむような本に求められる適正な強度もある。本を読むシーン、読書のスタイルによって本の強度は異なる。酸性紙、虫食い、バラバラ事件、コピーをとって本が壊される等々は、本の強度がなんらかの形で問われたものである。紙の強度は、耐久力そのもの、耐折強さ、剛度(緊締の度合い)、破裂強さ、引き裂き強さ、引っ張り強さ、表面強度等々からいわれる。接着の強度は、適用された紙、印刷インキとの適性、接着剤の経時変化、環境変化への耐性等々により問われる。また、糸・針金等の綴じ材料の強度やとじ方によっても強度は一律ではない。