製本用語集

きかいようそ (機械要素)machine element

製本機械は数多くの部品によって組み立てられている。これらのうち、ボルト・ナット・軸・歯車・ばね等は、製本機械も含めてどのような機械にも共通して用いられることが多く、これらを総称して機械要素という。機械を構成する基本的な事柄であり、以下に機械要素の概念を紹介する。 機械要素は、使用目的によって5つに分類される。

  1. 締結用=ボルト、ナット、リベット 
  2. 軸用=軸、軸継ぎ手、軸受け、キー
  3. 電動用=歯車、Vベルト、チェーン、カム 
  4. 制動緩衝用=ブレーキ、ばね 
  5. 管路用=管、管継ぎ手、バルブ
歯車による運動の伝達は、歯の噛み合いによる直接接触を行う方法。速度伝達比が正確で大きな動力が伝達できる。ベルトを巻き掛けて伝動する方法は2軸間の距離を大きくとれ、回転が滑らかで振動や騒音が少ないが、摩擦力によって動力を伝達しているために滑りがかなり大きく、回転を正確に伝えることができない。チェーン伝動は、ベルトによる伝動に似ているが、摩擦によらないので伝達率はよい。しかし、振動や騒音を発生しやすいので、高速にはあまり適さない。チェーン伝動は、軸にとりつけたスプロケットにチェーンを巻き掛けて動力を伝えるものでローラーチェーンが多く使われる。クラッチは、被道軸の回転を必要に応じて断続するのに使われる。クラッチには、摩擦クラッチ(円板クラッチ、円錐クラッチ)、確動クラッチ(噛み合いクラッチ)、電磁クラッチ(マグネットクラッチ)等がある。ブレーキは、機械の運動部分のエネルギーを熱エネルギーに変えて吸収し、速度を減少させたり停止させたりする。ブレーキとして主に使われているのは摩擦ブレーキである。摩擦ブレーキを作動させる力として、人力のほかに流体の圧力や電磁力等が用いられる。機械の各部が目的に応じた一定の動きを行うために、いろいろな対偶がくみあわされたものを連鎖といい、各部分をリンクという。

カム機構とは、特殊な輪郭を持ち、周期的に複雑な弾性変形を利用して次の4つの目的にもちいられる。

  1. エネルギーを吸収し、緩衝・防振する。
  2. ばねに加わる荷重と伸びの比例関係を利用する。
  3. 弾性変形による蓄積されたエネルギーを徐々に利用する。
  4. ばねの復元力を利用する。