製本用語集

コンピューターcomputer

さまざまな情報(データ)を目的にかなうように整理・検索・処理を行い、利用者にとって意味のある作業をする機械装置。コンピューターが有効な働きをするためにはコンピューター機械本体(ハードウェア)とコンピューターを動かすプログラム(ソフトウェア)が密接に関係している。コンピューターは、汎用大型コンピューターからワンチップ型のコンピューターまで演算速度・記憶容量等によって用途が使い分けられている。コンピューターがその目的を果たすために、基本的機能を備えた五つの装置で構成される。

  1. 入力装置=意味のあるデータを読み取る機能。
  2. 記憶装置=データの記録、読み出しの機能、コンピューター本体の中にある主記憶装置(内部メモリー)と、本体の外部に接続する外部記憶装置(外部メモリー)がある。
  3. 演算装置=記憶したデータを計算・処理・判断等の機能。
  4. 出力装置=処理したデータを印刷や表示をしたり、コンピューターに接続した外部記憶装置等に制御信号を出力する機能。
  5. 制御機能=各装置間のデータのやりとりを制御する機能。このうち、制御装置と演算装置は互いに協調して動作するコンピューターの心臓部であり、中央処理装置(CPU Central Processing Unit)とよばれている。

コンピューターはあらゆる分野において利用されている。製本所は、コンピューター搭載型の製本機械を使うことでコンピューターを日常的に使いこなしていることになるし、請求書発行や生産管理等の事務処理にも「パソコン」「オフコン」として使っている。製本需要先である出版社・印刷所においてはさらに多く使われていて、編集作業と製版・印刷作業を一体化したDTP、本の形態をとらない電子出版(CD-ROM等)が実用化されている。生産機械ではとくに製版工程のコンピューター化が著しく、色分解はコンピューターを搭載したスキャナーが職人の経験と技術に置き換えられている。文選・植字等の文字組みはパソコンやワープロ、さらにOCR読み取りや音声入力まで実用化されようとしている。印刷機械においてもコンピューター化は顕著であり、自動版替え装置・水やインキの自動調整・校正と本機刷りをかぎりなく一致させるコンピューター制御等、オペレーターの勘とか熟練は必要なくなりつつある(スキルレス)。