生活を彩る手頃な印刷

ネイルやハンディなど個人ターゲットに

 “印刷”の領域と言えば、商業印刷全般から出版印刷、グラビア、シール・ラベル、フォーム、フレキソといった分野が浮かぶ。ここ数年来、3Dプリンターが個人クリエイターにも広がり始めたことで、“印刷”の領域がさらに拡大している。
 今や「プリンターは印刷ではない」と言い切ることが出来ない。今年発売されると即完売となったリコーの「RICOH Handy Printer」は、プリンターで通信できないノートや段ボール、出力時の設定が煩わしいラベル、封筒、ハガキなどに簡単に印字できるハンディプリンタ―だ。重さは315gでコードレスなので手軽に持ち運べる。解像度600×600dpiとQRコードやバーコードから画像、イラストまで印刷できる。連番モードにすれば商品タグなどのナンバリングも対応する。価格は56,870円と個人でも十分手に届く。デジタル印刷による小ロット対応で細かな仕事も取り込むようになった印刷業界だが、極小ロットの宛名印字などであれば、顧客側で手軽に出来てしまうということにもなる。
 リコーの製品で市場の成長を見込んだのか、11月にはリンクスインターナショナルが紙だけでなく布や木、金属などにもなぞるだけでカラー印刷ができるハンディプリンター「PrintBrush XDR」を発売した。スマートフォンのアプリから文字やイラストなどを転送するだけで手軽に対象物にプリントできる。ちょっとしたノベルティグッズなら誰でも簡単に作れるようになる。
 従来の印刷だけでなく、安全で手軽なプリンターは様々なところで“印刷”を広げている。最近美容サロンでの採用が進むのはネイルプリンターだ。文字通り、様々な模様を爪に自動で印刷できる。人工知能(AI)が爪の形状を検出し、スマホからの画像をもとに絵柄を形成するという。

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