ワイドフォーマット市場は3,199億円で成熟市場に

MIS、Web to print利用率はまだ低い

 キーポイントインテリジェンスは8月30日、有明セントラルタワーで「ワイドフォーマット&テキスタイルプリンティングコンファレンス2019」を開催した。コンファレンスでは、同社の後田雅人氏がワイドフォーマットプリンターの国内市場動向を発表した。  国内のサイン・ディスプレイ市場としては、屋外広告が3,199億円(前年比0.3 %減)の横ばい成長で、市場が成熟しているため、新たな分野の開拓が必要になっているという。
 後田氏はワイドフォーマット印刷を行う企業に実施したアンケート調査についても報告している。調査によると、MISについては、81%が導入していないと回答した。顧客との引き合い、見積もりについて使用しているシステムは、「Excelなどの専用ワークシート」(43%)、File Makerなどの「自社開発のベーシックなデータベース」(9%)、SQLなどの「自社開発の高度なデータベース」(5%)の順で多かった。
 また、Web to printを提供している企業は21%で、68%が「今後提供する予定がない」と回答した。
 環境面について、顧客の求める環境責任は「持続可能な製品」(43%)、「持続可能な製品と生産方法の両方」(25%)となり、顧客の環境に対する強い関心が窺えた。
 印刷会社の環境に対する取り組みについては75%が実施しており、VOCレス(36%)、低消費電力(21%)、メリットの認知拡大(21%)の順で多かった。環境戦略がビジネスに与えた影響については、78%が価格を変えずに対応し、売上にマイナスの影響はでなかったという。
 後田氏はサイン・ディスプレイ業界の今後のビジネスを拡大するためには、ワークフローの導入などによる自動化の推進、持続可能な製品や生産方法確立が必須だとした。

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