2018年度のAIビジネスの国内市場が5,301億円

AI-OCR、カンバセーションAIに注目

 富士キメラ総研は、国内の経済規模を維持するための課題となっている労働生産性の向上を解決する手段として注目を集めているAI(人工知能)の関連市場を調査し、「2019 人工知能ビジネス総調査」にまとめた。
 同調査では、2018年度のAIビジネスの国内市場が5,301億円、2030年が2兆1,286億円と見込んでいる。現状は、実証実験(PoC)が中心となるものの金融業や製造業などでAIの本格的な導入が進み、市場は拡大。今後は金融業や製造業だけではなく、様々な業種でAIが導入されることが予想され、市場の拡大とともにAIネイティブ化も進むとしている。
 サービスは、構築サービスが大半を占め、SI(システムインテグレーション)を中心に拡大している。また、構築したAI環境を長期的にサポートするために運用・保守が伸びている。AIを効率的に運用するには、定期的な再学習、メンテナンス、アルゴリズムの変更などが必要となることから、今後は運用・保守の全体市場に占める比率が高まっていくと予測する。
 業種別動向では、2018年度の金融業で1,446億円、組立製造業で757億円、プロセス製造業で504億円、医療・介護業で174億円との見込みである。
 注目市場としては、クラウドで提供されているAI-OCRや、カンバセーションAIを挙げている。OCRとは文書データに記載されている文字を読み取り、テキストデータに変換するもの。AIを活用することで、従来のOCRと比較し高性能かつ識字率の向上を実現している。
 カンバセーションAIは、対話エンジン、AI-FAQシステムをベースとして、ビジネスユーザー向けに、自動車やロボットなどのIoTデバイスで音声対話、テキスト対話ができる。同市場は、チャットボットのカスタマーサポートと社内業務支援を中心に拡大している。

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