“改元”によるシステムへの影響は?

データ時代の来るべき未来への対策

 今年5月から新元号が制定され、新しい時代がスタートする。日本の改元は、天皇の退位・即位に伴うもので、特に今回は“積極的”な改元とあって、改元に伴う特需を期待する声も高まっている。
 一方、日本ならではの文化である「改元」に伴う課題も残されている。業界に近い問題としては、帳票類などにすでに印刷されてしまっている元号の訂正がある。しかしこれは、シールや訂正判子などがすでに販売されて始めており、業界にとっては特需の波の一端になりつつある。
 しかし一方で、深刻な問題とされているのが、システムに関するものである。かつて、西暦2000年が到来する時も、システムのダウンなどが危惧され、戦々恐々たる状況があったことが思い出される(結果、それほど大きな問題はなかった)。
 今回の問題の一つに、文字コードの問題がある。日本語の文字コードは、「明治」「大正」「昭和」「平成」などは、それぞれの2文字を合せた1文字の合字としてコードが割り当てられている。そのため新元号の合字も必要になるのだが、第一にユニコードでは明治・大正・昭和・平成の前後に空きがないため、どのコードに割り振るのかを決める議論があるほか、新元号を合字にするのかどうかの議論も出てきているといわれている。その他にも、国際標準化、各OSの対応、フォントの対応、アプリケーションの対応などの取り組みを進める必要があるとされている。
 この問題を重要視していたマイクロソフトなどでは新元号対応更新プログラムの準備を進め、提供する意向を示してきた。さらに改元の後には、年を昭和2桁で表現しているシステムなどで懸念されている「昭和100年問題」(2025年問題)も控えている。来るべき課題への対応が出来るのかを確認する必要がある。

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