企業の動き【2019年03月】

ユポグリーンの新製品を販売開始 ◆ユポ・コーポレーション

ユポ・コーポレーションは、バイオマス樹脂を原料に配合した素材「ユポグリーン」の厚手タイプ「FFBG 300」を3月1日から販売開始した。新発売の「FEBG 300」は、同社の代表製品である「ウルトラユポ」の厚手タイプ(FEBA 300)にバイオマス樹脂を配合したもので、メニュー、カタログ、POP、名刺など厚みが求められる商業印刷分野に適した製品。従来からある合成紙のユポは、石油由来のポリプロピレン樹脂と無機充填剤を主原料としているが、「ユポグリーン」は石油由来樹脂の代替えとしてオレフィン系のバイオマス樹脂を一部配合した新シリーズ。従来と同等の品質性能で、温室効果ガス(CO2)排出量削減に寄与する。なお同社では、今後、「スーパーユポ」などのユポ製品にも順次バイオマス樹脂を配合し、「ユポグリーン」シリーズのラインナップを拡充していく予定。

DNP採光フィルムの販売開始 ◆大日本印刷、リンテック

大日本印刷(DNP)が2015年に開発した窓ガラス用フィルム「DNP採光フィルム」は、リンテックが建物用ウインドーフィルム「ウインコス」ブランドとしてリンテックの全国の施工店ネットワークを通じて2月15日から提供することとなった。リンテックは、窓ガラス全面に貼ることで紫外線を99%以上カットする効果や、ガラス破損時に破片の飛散を低減する効果など多彩な機能を発揮する建物用ウインドーフィルムを「ウインコス アーキテクチュアルフィルム」として展開しており、国内外で多くの採用実績がある。今回はその新たなアイテムとして、「DNP採光フィルム」をラインアップに追加した。「DNP採光フィルム」は、窓から入る太陽光を効果的に反射・拡散させて室内全体をより明るくする特長を持っている。ベースとなるフィルム内部に微細な凹凸をつけることで太陽光を屈折させ、天井などに効率良く反射・拡散させ、明るい室内空間をの演出を可能にした。

セキュリティ対策などを解説 ◆ヤノンMJ

キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は、バンキングマルウェアを分析したレポート「歴史とともに振り返る、バンキングマルウェアの脅威」を公開した。マルウェアなどのインターネット上の脅威は日々高度化・巧妙化が進み、法人、個人を問わず金銭的被害などが増大している。こうした状況において、被害に遭わないために最新動向を知り、適切なセキュリティ対策を実施することが重要とされている。キヤノンMJグループは、セキュリティソリューションベンダーとして、サイバーセキュリティに関する研究を担うマルウェアラボを中核に、最新の脅威やマルウェアの動向の情報収集および分析を実施し、セキュリティ対策に必要な情報を「マルウェアレポート」として定期的に発行している。今回、公開した「歴史とともに振り返る、バンキングマルウェアの脅威」では、2005年から2018年までの被害状況や手口の変化および対策について解説。同調査によると、バンキングマルウェアは2005年頃から海外で存在が確認され、2011年頃から日本も主要な標的とされている。警察庁によると、日本での不正送金被害は2014年-2015年がピークで、年間約1,500-1,900件、約30億円の被害が確認されているという。

「東海道五拾三次絵巻」を寄贈 ◆トッパン・フォームズ

トッパン・フォームズは、2月15日、旧東海道の宿場町の一つである静岡県袋井市に、地域支援の一環として歌川広重の保永堂版「東海道五拾三次絵巻」を寄贈した。同社は昨年3月、高精細なデジタル印刷の技術を活かして同製品を制作、販売を開始している。「東海道五拾三次絵巻」は、ボストン美術館に所蔵される高品位の浮世絵原画を復刻し、絵巻物という形態により55枚の浮世絵を連続して鑑賞することができる製品。採用した原画の大半を占めるスポルディング・コレクションは、繊細な色彩を持つがゆえに公開展示が禁止されており、原寸大による複製は学術的にも大変価値の高いものとされている。今回の寄贈先となった袋井市は、東海道五拾三次の中間点に当たる袋井宿のあった場所で、「東海道どまんなか市」と謳って地域振興を推進している。

24ページサイズハイグレードCTP ◆SCREEN GA

SCREENグラフィックソリューションズ(SCREEN GA)は、最新のGLVTM露光ヘッドを搭載し、1,652×1,325㎜のプレート使用時に1時間当たり最大35版の高生産性と優れたコストパフォーマンスを実現したA4-24ページサイズ対応のサーマルCTP装置「PlateRite Ultima(プレートライト アルティマ)24000Nシリーズ」を開発。2019年3月から世界市場に向けて販売を開始する。近年、海外市場を中心に印刷物の生産性向上のため、複数のジョブを一度に効率的に印刷できる大サイズ対応印刷機を活用するケースが増加。こうした動向を背景に、「PlateRite Ultima 24000シリーズ」の対応刷版サイズをニーズに合わせて最適化するとともに、高生産性、費用対効果などを更に追求した「PlateRite Ultima 24000Nシリーズ」を開発した。

デジタルPOPの実証実験を実施 ◆S凸版印刷

凸版印刷は、フルカラー電子ペーパーを使用した世界初のデジタルPOPを開発し、そのプロトタイプの実証実験を2月20日より三越伊勢丹「花々祭」で実施した。プロトタイプの電子ペーパーパネルは、台湾のE Ink Holdings社(E Ink社)の「Advanced Color ePaper (ACeP)」を使用し、3万2,000色のフルカラー表示が可能。今回、凸版印刷が開発したのは、この電子ペーパーを使用したデジタルPOP。従来課題になっていた、店内装飾向けPOPの制作作業の効率化と廃棄物削減を目指す。ACePは、E Ink社が2016年に学会発表した、シアン、マゼンタ、イエロー、ホワイトの4色の帯電顔料を使用したフルカラー電子ペーパー技術。プロトタイプの特長は、表示切り替えが簡単で働き方改革に貢献し、設置場所での電源も不要。環境負荷を大きく低減し、店内装飾に向いた表現が可能。

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