脱プラスチックで紙媒体を訴求

経産省・CLOMAに加入

 全日本印刷工業組合連合会と日本印刷産業連合会はこのほど、経済産業省が設立した「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)」に加入した。同組織は海洋プラスチックごみ問題の解決に向けた取り組みを促進するため、幅広く関係者の連携を強め、イノベーションを加速することを目的に設立された。
 日本国内でも急速に注目を浴び始めた海洋プラスチック問題に対し、食品メーカーなどが脱プラスチックの動きを強めている。スーパーマーケットではレジ袋の削減、有料化が進み、飲食店で使用されるプラスチック製ストローも紙製への切り替えが始まっている。また、昨年には『海岸漂着物処理推進法』が改正され、マイクロプラスチックへの対策が含まれたことがこうした活動を後押ししている。
 CLOMAは、①素材の提供側と利用側企業の技術・ビジネスマッチングや先行事例の情報発信などを通じた情報の共有、②研究機関と技術交流や技術セミナー等による最新技術動向の把握、③国際機関、海外研究機関等との連携や発展途上国等への情報発信などの国際連携、④プラスチック製品全般の有効利用に関わる多様な企業間連携の促進等に取り組む。
 全印工連は今回、CLOMAの活動がマイクロプラスチックの代替製品の開発が中心になると予測。『海岸漂着物処理推進法』を各地の自治体が推進する上で、積極的に関与・協力等が出来るとの考えに加えて、石油製品から紙製品に世論と習慣を戻す重要な機会と捉え、加入した。
 すでにバナナペーパーや石灰石原材料のライメックスなど、印刷業界から環境対応の代替製品をアピールできる機会も増えている。クライアントの新たなニーズを掘り起こすきっかけになることが期待される。

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