働き方改革の効果を定量的に評価

各種の分析結果を「働き方ダッシュボード」で一元管理

野村総合研究所(NRI)は、「働き方改革」を推進するためのコンサルティングサービスを開始した。人工知能で社員のスケジュール情報を分析し、時間の使い方の可視化、改善を図る。
日本の製造業における生産ラインの自動化は進んでいるが、サービス業やホワイトカラーの生産性は他の先進諸国と比べて低いとされている。その原因には、意思決定構造の曖昧さや、硬直的雇用慣行などが挙げられる。ホワイトカラーの生産性は非常に計測しにくいという特徴も関係している。働き方の現状が分からない状態で、ノー残業デーなどのルール作成や、ITを利用したツールの導入は、限られた効果しか発揮しない。
NRIは、ホワイトカラーの働き方を可視化し、働き方を効率化するため、スケジュール情報を人工知能で分類する技術を開発した。社員一人ひとりの時間の使い方を分析し、課題の発見や改善案の導出に繋げることができる。
具体的には、スケジュールの分類をリカレントニューラルネットワーク型の人工知能に学習させ、色分けする。そのスケジュール情報をグループ、部署単位で集計、分析し、その結果を「働き方ダッシュボード」としてウェブサイトで提供する。
ダッシュボードの主な機能は、労働時間の内訳集計による仕事の明確化や、外回りが多い社員の空間移動の可視化。また、会議参加者の情報などを利用した、社員の人的ネットワークの可視化など。
ダッシュボードを活用して社員の働き方を分析することで、改革の糸口をつかむことができる。NRIでは、コンサルティングサービスとして、さらに深い分析を行い、ITツールやルールの導入等の改善策を提案する。継続してダッシュボードを利用することにより、社員の生産性および改善策による効果の定量評価が可能になる。

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