3Dプリンタの部材の50%を3Dプリンタで

部品・部材の造形で徐々に存在感広がる

 日本HPは1月24日、東京都港区のザ ストリングス 表参道で事業説明会を開き、新年度の各事業分野の取り組みを説明した。3Dプリンティング事業では主力製品の『Multi Jet Fusion』の現状と可能性を報告した。
同社では現在のコア事業にパソコンやプリンタ、成長事業にワークフロー、デジタル印刷を位置付けている。3DプリンティングはVR(仮想現実)、AR(拡張現実)とともに将来事業に据えられている。
Multi Jet Fusionについて同社の岡隆史社長は将来のものづくりの変革を担う製品と紹介している。すでに代理店のリコージャパンを通し、株式会社DMM.com、株式会社金星に納入されている。DMM.comでは1月下旬から新サービスを開始。金星は試作や検証用のパーツを造形する。
HPではMulti Jet Fusionを利用し、NASAから受注した無重力プリンタを開発。HP Jet Fusion自体がHP Jet Fusionでオリジナルプラスチックパーツの50%以上を造形しており、3Dプリンタは製造分野に徐々に浸透しつつある。
日本HPのホームページには、30分で重さ113gの大型チェーンを造形し、自動車を持ち上げる動画が掲載されている。最大約4.5tの重さに耐えられるもので、3Dプリンタによる部材の可能性が感じられる。
同社では新材料導入で適用範囲の拡大を図る。2018年中に、樹脂性のPA11、ガラスビーズのPA12 GB、PP(ポリプロピレン)、TPA/TPU(エラストマー)、難燃性素材を追加していく。
同社では3Dプリンタで造形した部材に電子部品を組み込むことで、追跡用のトレースコードや人工知能を搭載した「スマートパーツ」を創造することが可能になるとしている。デジタルマニュファクチャリングの時代はそう遠くはないかもしれない。

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