AR/VRの年平均成長率は98.8%

アジア太平洋地域で高い成長見込む

IT専門調査会社IDC Japanは、世界のAR(Augmented Reality:拡張現実)/VR(Virtual Reality:仮想現実)のハードウェア、ソフトウェアおよび関連サービスの市場予測を発表した。それによると、AR/VRの支出額は2017年の91.2億ドルから、2018年には前年比95%増の178億ドルとなり、2016年から2021年にかけての年間平均成長率は98.8%を見込まれている。
VRはコンシューマー市場とビジネス市場双方が牽引役となって、高いレベルの成長が続き、プロダクトデザインから小売業における従業員訓練まで多くの潜在的な応用の可能性が見込まれている。一方、AR市場はスマートフォンやタブレットによるモバイルARが消費者から注目を集め、ARヘッドマウントディスプレイはビジネスユーザー向けに販売されると予測している。
コンシューマー市場全体ではAR/VR支出の2016年~2021年の年間平均成長率は45.2%、2021年には総支出が200億ドルを超えると推定。ビジネス利用でのユースケースは分野や産業ごとに大きく異なるが、分野別では流通・サービス分野の支出が最も多く、次いで製造・資源エネルギー分野の支出が多いと見込まれる。金額面ではこの2分野が2021年までAR/VRのビジネスを牽引するとみられる。
日本は世界に比べ全般に成長が見劣りすると予測されている。組立製造やプロセス製造分野での2017年から2021年の年間平均成長率は70%を超え、一方で教育分野での利用の成長率が他の地域と比較して低い。今後のユースケース拡大と成長の阻害要因の一つとなっているが、AR/VRの利用拡大に果たす教育の役割は大きく、今後の教育現場でのAR/VRに代表される先進技術の積極的採用がビジネスにおいてもデジタルトランスフォーメーションの鍵になると予測している。

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