「NetGalley」日本版のサービス開始

紙書籍のWeb販促ツールの提供に着手

出版デジタル機構は、Webを活用した紙の書籍の販促支援ソリューション「NetGalley(ネットギャリー)」日本版サービス(www.netgalley.jp)の提供を10月17日より開始した。「ネットギャリー」は、アメリカのNetGalley LLCが提供するサービスで、北米では大手を含む300以上の出版社に利用されているほか、カナダ、オーストラリア、イギリス、フランス、ドイツでも展開されている。
具体的には、書店員や図書館員、教育関係者やネット上のブロガーなど、プロフェッショナルな側面を持った"本の応援団"ともいうべき読者に対し、発売前の書籍のゲラや見本を、セキュリティの施された電子コンテンツの形態で配布する仕組み。これにより、読者は無料でサービスを利用することができる上、興味のある作品のゲラを出版社にリクエストできる。出版社によってリクエストを承認された読者は、発売前の本についてのレビューを書いたり、作品内容やカバーデザインを評価したりするなどが可能になる。これにより、これから刊行される書籍の情報がネットを通じて広く社会に拡散されることが期待されており、出版社としても発売前の書籍に関する貴重なフィードバック情報を入手することができるようになる。
すでに同サービスは、KADOKAWA、幻冬舎、講談社、光文社、集英社、小学館、ディスカヴァー・トゥエンティワンでテストを実施。今回の本格稼動により、新たに朝日新聞出版、イースト・プレス、秀和システム、主婦の友社、竹書房、トランスビュー、白泉社、PHP研究所、ブリッジ、マガジンハウス(50音順)を加えた17社から作品の提供を受けることができるようになる。これまでは書店関係者を中心とした700名ほどのテスト会員を核にしてきたが、今後は"本の応援団"を志す会員の募集も大々的に行っていく。

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