働き方改革推進で法整備

時間外労働の割増賃金率引き上げなど

大手企業を中心に環境整備が続く、働き方改革。厚生労働省の労働政策審議会は、各分科会、部会で「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱」について審議した結果を踏まえ、加藤厚労大臣に答申を行った。
法律案要綱では①「働き方改革の総合的かつ継続的な推進」、②「長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現等」、③「雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保」の3つを掲げる。
この中で、労働時間の上限については、月45時間、年360時間を原則とし、臨時的な特別な事情がある場合でも年720時間、単月100時間未満(休日労働含む)、複数月平均80時間(休日労働含む)を限度に設定する。月60時間を超える時間外労働に係る割増賃金率(50%以上)について、中小企業への猶予措置を廃止。また、使用者は、10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、毎年、5日分、時季を指定して与えなければならないこととする。
雇用形態に関しては、短時間・有期雇用労働者に関する正規雇用労働者との不合理な待遇の禁止に関し、個々の待遇ごとに、待遇の性質・目的に照らして適切と認められる事情を考慮して判断されるべき旨を明確化。併せて有期雇用労働者の均等待遇規定を整備。派遣労働者について、派遣先の労働者との均等・均衡待遇、一定の要件を満たす労使協定による待遇のいずれかを確保することを義務化する。さらに短時間労働者・有期雇用労働者・派遣労働者について、正規雇用労働者との待遇差の内容・理由等に関する説明を義務化する。
働き方改革は、残業削減が主に取り上げられるが、単に残業を削減するだけで、企業の売上は伸びない。労働環境を改善し、生産性を高める働き方改革が期待される。

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